ハラスメントをなくす実践講座を開催
第三者介入は「避難訓練」

11月16日、府職労は「ハラスメントをなくす実践講座」として、一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクションの中村果南子さんを講師に迎え「第三者介入のスキルを身につけよう」を開催しました。たくさんのワークやロールプレイもあり、大切なことを楽しく学ぶことができました。

講座では、初めに「バウンダリー(自分と他人との適切な境界線)」や「性的自己決定権」「性的同意」について、動画を観たり、ワークを通じて学びました。「同意を確認し、尊重する責任は性的言動を始める側にある」ことが何度も強調され、積極的な同意を確認するための5つのポイント(図参照)を学びました。

自分の安全を確保し適切な介入を

暴力や性暴力、ハラスメントが起きそうな状況に対して、被害者でも加害者でもない第三者介入のスキルを学びました。第三者介入において大切なこととして、介入する第三者は自分の安全を確保して適切な介入をする必要があることを確認しました。

そして、介入の方法(5D)「直接介入する、気を逸らす、委任する、記録する、事後介入」について学び、身の回りで実際に起こりそうな4つのシナリオにもとづいて、各グループでロールプレイして、みんなで振り返りました。

何かあったときに対応できるスキルを

第三者介入は「避難訓練」と同じです。日常的に使うことはないかもしれません。しかし、もし身の回りで性暴力や暴力、ハラスメントが起きそうになっているときに、第三者が介入することで未然に防ぐことができたり、被害の拡大を防ぐことにもなります。また、意図せずハラスメントを起こしそうになっている人の気づきにもつながります。「バウンダリー」や「(性的)同意」について学び、第三者介入のスキルを身につける人が増えれば増えるほど、職場が働きやすくなったり、生きやすい社会へとつながっていくのではないでしょうか。

今回、大好評の講座だったので、ハラスメントをなくすための取り組みと合わせて、この講座についても繰り返し開催したいと考えています。

参加者の感想(事後アンケートより抜粋)

  • 具体的に学べたこと、自分たちで考える時間が多くあったことがよかったです。今までなんとなくやっていたことを改めて振り返り整理することができました。
  • 第三者介入の方法がいくつかあることを知りました。5つのDを頭において対応することを学びました。
  • いろんなシナリオのパターンがあり、介入の方法がいろいろ学べた。違う職場の人と交流することで、介入の方法や人間関係の難しさも学べた。
  • 日頃の生活の中で立場や関係性もあるが、コミュニケーションや相手のことを理解して接する必要があると感じました。5Dを学んで冷静に考えて行動すれば変わることもあると思った。一人だけではなく周りの意識を変えることでハラスメントも緩和されると思った。
  • 初めて学ぶ内容でした。ハラスメントについては一定知識があっても、どう解決するかに悩んでいたので、とても良い学びになりました。最後に言われていた「場をどうにかする」というのが何よりも大事なことですね。介入することでより剣悪な状況や取り返しのつかないことにしたくないです。
  • 第三者介入のイメージが直接介入しかなかったので、今回の講座でそれだけではないということが知れて良かった。「私が何とかする!やめさせる!改心させる!助ける!」などと気負うのではなく「少しでもマシにする」という思いで始めたらと思えるようになった。
  • ロールプレイを体験したことで、第三者として自分に何ができるかを具体的に考えることができてよかった。傍観者にならず一歩踏み出すきっかけをもらった気がして参加してよかったです。
  • ハラスメントの介入は特別なスキルがあったり、人よりも勇気があったり、専門的な知識があったり、普通の人には難しいことのように捉えていたところがありましたが、ロールプレイを通して誰でも日常的にできる(やっていたりする)ことだと気づくことができました。
  • 職場や自分が活動している場で普段の振る舞いが5つのDのどれに当てはまりそうか仲間と話をするだけでもハラスメント防止につながりそうだな~と思いました。自分も相手も大切にするために、同意やバウンダリーを意識することから始めたいです。
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