【病院労組】子育て部分休暇の拡充検討・ 非常勤職員の病気休暇有給化の検討を回答 2024年夏季要求書にもとづく団体交渉を実施

病院労組は5月31日に提出した「府立病院労組2024年夏季要求書」に基づき6月17日、21日に団体交渉をおこない、一時金を現行どおり2.25月を6月28日に支給、非常勤職員についても0.725月を支給するとの回答がありました。

オンコール手当を創設せよ

 交渉では、各病院から参加した組合員から職場の実態を報告し、機構本部に要求の実現を求めました。急性期・総合医療センターの組合員からは「産科病棟で働いているが、24時間母子とともに二つの命を守っているのに月額1万円の助産師手当では割に合わない。もっと増額してもらえたら若い助産師たちの励みにもなる。」と訴えました。

 病院労組から「国際がんセンターと急性期・総合医療センターの臨床工学技士の職場からオンコール手当の要求がでており、特に急性期では、救急外来もあり夜間1人では対応できないことが多くオンコールが常態化している。また、国際がんセンターでは新人教育をしていく中でオンコール手当を新設して欲しいといった強い要求が出ている。」ことを訴えました。
 病院労組として、手当全般に言えるが、人材確保の点でも手当の拡充や増額を求め、特にオンコール手当の創設を強く求めました。

65歳を越えても病院機構に雇用を

 急性期と国際がんセンターの非常勤の組合員から「現場は忙しくて、採用されてもすぐ辞めていくし、若い人は、条件のいいところがあればすぐ転職する。看護助手の人員不足のため仕事が回らない、ぜひ70歳まで雇用してほしい」「65歳以上で派遣会社に採用されると給料が下がる」「現場では1人で対応していて忙しくて体力的にしんどい」「コロナの清掃作業をしたり排泄の後始末をしたり、正月も手当も出ない、仕事内容をちゃんと評価されていない」など厳しい実態が報告されました。
そして、一時金について、病院労組から手当は大阪府に準じるというルールが守られていないが、秋に向けて支給額を引上げていくということは考えていないのかという追及に病院機構の伊庭次長は「ルールを守れていないことは認識するが、今の時点で秋に向けて検討するとは言えない。引き続き協議はしていきたい。」と回答しました。
病気休暇について、正規職員は有給であるが、非常勤職員は無給であることに対し、有給にできないかと要求したところ、均等待遇、国や府・他府県の動向、近郊の状況を見ながら検討することを回答しました。

 看護助手から強い要求のある65歳以上の雇用継続については、病院機構当局から65歳以上の非常勤職員を雇用する義務は規則上、使用者側にはない。但し、人員確保の点から当該センターから要請があれば病院機構本部と協議していくことはできると回答しました。
 病院労組は、看護助手を安上がりの派遣職員で対応するのではなく、正規職員での雇用が当たり前という基本にすべきであり、引き続き、65歳以上で希望する非常勤職員については病院機構として雇用できるよう強く求めました。

業務量に見合う人員増を

 国際がんセンターの病棟は、人員不足が原因で夜勤回数が増えて体調不良者が続出、無断欠勤やメンタルで休むスタッフが増えており、休憩も15分くらいしか取れず、トイレに行く余裕すらない状況です。また、病院からは病床利用率90%以上を取るように言われており、緊急入院も増えて新人教育をする余裕もないほど忙しい職場実態の訴えがありました。
 母子センターでも予定外の退職が4名もあり新人教育もできず、夜勤回数も増え体調不良者が続出している状況。また、超勤は取ってはいけないような風潮になっていると訴えました。
 病院労組は、患者の安全が守れる適正な人員配置が不可欠であり、経営状況が厳しいのであれば、大阪府からの運営負担金の増額を求めるべきと強調し、職場環境の改善を求めました。

希望したら休める職場に

 休暇の取り方について、希望した有給休暇を勝手に指定休に変更されていたり、休暇を2日希望したら、1日は有給休暇でもう1日はリフレッシュ休暇に変更を強要されたり理不尽なことが行われていると交渉参加者から報告がありました。それに対して病院機構の伊庭次長は、「職員が有給休暇を請求したら与えなければならないというのが労働基準法の主旨であり、そのような実態は『時季変更権(※)』を逸脱しているのではないか」と指摘しました。
病院労組からは、そもそも人員不足が休暇を取りにくくしていることを追求。希望したら休める職場にすることは、使用者としての病院機構当局の責任であり改善を強く求めました。

子育て部分休暇の拡充を検討

 子育て部分休暇が小学校1年生までとなったが、今年4月から大阪府が小学校6年生まで取得可能となったことで、病院でも同じように小学校6年生まで拡大できないかと要求しました。病院機構当局は、今年4月から取得され始めたところであり、今後、小学校2、3年生へと徐々に拡大を検討していくと回答しました。

働き続けられる職場にするため人員増を

 最後に、病院機構の伊庭次長は「厳しい経営状況のもとではあるが、今後も労使関係を維持し、双方の信頼の上に立って、引き続き協議していきたい」と回答しました。
そして、病院労組の山本委員長から、一時金については受諾し、働き続けられる職場にするためにも人員増や手当の拡充、希望する年休取得ができるよう求めました。また、引き続き、秋の交渉で私たちの要求に応え、労働条件の改善に向けて全力をつくすよう強く求めました。
労働組合に加入しみんなで実現しよう
 私たちの給料や労働条件は、勝手に良くなることはありません。声をあげ、交渉してこそ実現します。そして、実現したことは全ての職員に適用されます。
みんなの願いをみんなで実現するのが労働組合です。加入する人、声をあげる人が増えれば増えるほど、大きな力を発揮することができます。労働組合に加入していない方は、この機会に加入してください。

【PDF版(約630KB)】

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