5月27日、府労組連(大教組・府職労)は 、知事あてに「2024年府労組連夏季要求書」(裏面に掲載)を提出しました。異常な物価上昇が続くもと、職員・教職員の生活改善につながる賃上げ、住民の命や暮らしを守り 、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するに相応しい労働条件の改善を強く求めました。
要求書提出にあたり、北川委員長は、これまで職員・教職員の賃金や府民サービスを削減・抑制してまで貯めてきた財政調整基金について、吉村知事が万博の赤字補填に使う可能性があると発言したことに対し、厳重に抗議するとともに、府民のくらし最優先の施策を行うことを強く求め、次の3点について強調しました
人を増やしてこそ長時間労働解消できる
【1】 長時間労働が慢性化し、過労死ライン超えが後を絶たちません。昨年4月、府立の高校では教員の1割強の972人が過労死ライン80時間を超えています。昨年の府人事委員会の報告は、2022年度一般行政職の時間外年間360時間を超える職員が2割増加していること、80時間を超える職員は410人と報告し、長時間労働が改善されておらず、実効性あるとりくみを徹底する必要があると指摘しています。
府労組連は、長時間労働解消には、職員・教職員を増員し、業務量に見合う配置を行うべきと、くり返し要求し続けてきました。職員・教職員の健康を守り、災害等の非常時でも、府民のいのち・くらしを守ることができる体制がとれるように、職員・教職員を早急に増やすべきです。
また、万博関連業務によって業務量が増加している実態もあります。人員増による負担軽減の措置を求めました。
相次ぐ欠員を直ちに補充せよ
職場では人が足りないばかりか、欠員も補充されず、働きにくい状況が広がり、退職者や休職者が後を絶たないという悪循環に陥っています。人を確保することは当局の最低限の責任です。業務量に応じた適正な人員配置を強く求めます。
生活改善につながる賃上げを直ちに実施を
【2】 昨年は27年ぶりに全職員の賃金引上げが実現しました。大阪府では全都道府県で一番大きな公民較差があったにもかかわらず、30歳台後半以降の職員は500円の引上げという全国最低の引上げとなりました。
職場では不満・落胆の声が広がり、職場で若手職員を育成し、中心的な役割を担っている中堅・ベテラン職員のモチベーションは著しく低下しています。
物価高を上回る賃金引上げを求める声は強まっています。公務員の賃金は民間労働者にも大きな影響を及ぼします。全ての職員・教職員の大幅な賃金引上げを強く求めました。
非常勤職員・教職員の大幅賃上げ、待遇改善を
【3】 公務職場において、会計年度任用職員を含む非正規職員・教職員は正規職員と同様に公務公共サービスを支える役割を担い、府民や子どもたち、保護者に責任を持って、職務を遂行しています。しかし、正規と非正規では賃金・待遇の格差が大きくあります。「同一労働・同一賃金」「均等待遇」を公務現場が率先して行うべきです。
大阪で働く非正規職員・教職員が、他県に逃げることで、人手不足に拍車がかかります。非正規職員・教職員の賃金・労働条件の改善を強く求めました。
夜間・休日に緊急対応する職員にオンコール手当を
委員長のあいさつに続く要求の主旨説明では、まず初めに、労使慣行の遵守について確認し、非常勤職員を含む全ての職員の大幅賃上げ、諸手当の支給、再任用職員や実習教員・寄宿舎指導員の賃金水準の引上げ、通勤手当の支給要件の緩和の拡大などを強調しました。
また、夜間・休日に自宅待機し、緊急業務に対応している職員の実態を直視し、オンコール手当支給等の必要な対応を行うことを強く求めました。
子の看護休暇の日数・要件拡大など休暇の拡充を
休暇等の制度拡充等の要求については、非常勤職員の病気休暇、生理休暇、子の看護休暇、短期介護休暇などを常勤職員と同様に有給とすることを強く求めました。
また、どの職場でも産・育休、病気休暇などで欠員が生じ、男性の育休取得も促進されるもと、さらに欠員が増え、残された職員が多忙化するという実態や部分休暇(休業)を取得する職員も増えているが、代替職員の補充がないため、業務量が軽減されず、制度が十分に利用できない実態について指摘し、職員・教職員が安心して休暇制度が取得できるよう、欠員補充、代替職員の配置を強く求めました。
そのうえで、子の看護休暇の取得日数や対象要件の拡大、家族休暇やリフレッシュ休暇の復活、不登校の子どもや障がいのある子どもを養育する職員の特別休暇の新設など、特別休暇の拡充を求めました。
労働安全衛生対策の抜本的強化については、この間、メンタル疾患等で休職する職員・教職員が増えていることやハラスメントが増加している実態を示し、それぞれ対策を行うよう求めました。
労働組合に加入し、みんなで賃上げ実現しよう
要求書を受け取った渡邉副知事は「各職場で奮闘している職員の給与・勤務条件に係る重要な要求と認識し、誠実に協議する」と答えました。
これまで不十分ながらも賃上げを実現し、現在の休暇制度をつくってきたのは、労働組合が交渉し、勝ち取ってきた成果です。
今後も府労組連は、職場からの取り組みを進め、事務折衝、団体交渉を重ね、要求実現をめざします。
今回の交渉で勝ち取った成果も全ての職員・教職員に還元されます。だからこそ、みんなで力を合わせることが必要です。労働組合に加入していない人は、この機会に加入してください。
【次回交渉日程】
●企画厚生課長交渉
6月11日(火)14時
●交渉報告会
6月11日(火)19時
オンライン
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ID: 88063938224
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