11月21日、大阪府当局は「令和6年度人員体制編成要領」を通知しました。「要領」では「事務事業の見直しや事務の効率化等による組織のスリム化に努めること」とし、「今回の編成作業にあたっては、令和5年度定数の範囲内での人員配置を基本とし、万博成功に向けた取組みなど特定の重要課題を除き、新たな人員配置を必要とする行政需要等への対応については、各部局内でのスクラップアンドビルドにより対応すること」としています。
しかし、この間、コロナ対策業務の減少等を理由に、年度途中であるにもかかわらず、既に45人の定数を削減し、万博協会や万博推進局、大阪パビリオンに122人もの職員を派遣しています。さらには、ライドシェアや新モビリティ検討のためのプロジェクトチーム等も設置され、そのたびに職員が配置されています。
大阪府では子ども家庭センター(児童相談所)の職員が国基準より200人以上不足しています。また、今年4月~10月末までに退職した職員(主査級・主事級)は66人となり、職場では欠員が補充されない状況が広がっています。その結果、まわりの職員の時間外勤務が増加し、精神疾患等による病気休職者も増え続けています。
今年4月~9月に月80時間以上の時間外勤務をした職員はのべ195人、年間360時間の上限規制を超えるペースで時間外勤務をしている職員は875人となり、その多くが健康医療部、福祉部、都市整備部、教育庁など、府民の命や健康、暮らしと直結する職場です。
こうした状態があるにもかかわらず、実効性ある対策や措置もないまま「令和5年度定数の範囲内での人員配置」とすることは、職員の長時間労働を放置しているのと同じことであり、安全配慮義務違反であると言わざるを得ません。
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11月27日、府職労は、職員の命と健康を守り、働きやすい職場環境をつくると同時に、府民の命と健康、安全・安心を守るために、職員の大幅な増員を求め、以下の4点について知事あてに申入れました。