総務部長 最終回答
来年度より子育て部分休暇小6まで対象拡大、非常勤職員に勤勉手当支給
11月9日、総務部長は、府労組連(大教組・府職労)に対し、「2023年府労組連秋季要求書」にかかる最終回答を行いました。(最終回答の要旨と府労組連の態度は裏面に記載)
総務部長から示された最終回答では「人事委員会勧告の取扱いについては、勧告どおり実施」とし、①給料表を令和5年4月1日から引上げ、②医師及び歯科医師の初任給調整手当の支給月額の限度引上げ、③期末・勤勉手当を令和5年4月1日から年間0・1月分引上げ、年間4・5月分に改定、その割り振りは「期末手当」と「勤勉手当」に均等に配分、④令和6年4月1日から、在宅勤務等手当を新設、同手当を支給される職員については、通勤手当に関し所要の措置を講ずる、⑤会計年度任用職員の報酬及び期末手当は、常勤職員に準じ令和5年4月1日から改定、⑥会計年度任用職員に対し、令和6年度から勤勉手当を支給するとの回答がありました。
この間、府労組連が強く追及していた非常勤講師の一時金支給対象者が極めて少ない問題については「課題として認識しており、他府県の事例などを調査したい」との回答にとどまりました。
また、令和6年4月より▼子育て部分休暇の対象となる子を小学校6年生まで引上げ、▼子育て中の職員等の通勤手当の認定基準緩和、▼管外出張等に伴う宿泊料の実費支給の検討、▼育児・介護・転職等により退職した職員の再採用(知事部局)についても回答がありました。
職場から寄せられた切実な要求から考えれば、たいへん大きな不満がある回答です。しかし、この間の府労組連の要求を一部前進させることもできました。
府労組連は、今季の交渉の到達点を確認し、いったん闘争を終結し、2024春闘での大幅な賃上げの実現、最低賃金の引上げ、職員・教職員の大幅増員・欠員補充、相対評価の下位評価の分布割合廃止など、働きやすい職場づくりをめざして取り組みます。
引き続き、全ての労働者の賃上げをめざす
今回の交渉で、府労組連は、府人勧どおりの500円引上げでは、中堅・ベテラン職員の生活改善につながらず、モチベーションの維持もできなくなると指摘し、引上げ額の上積みや家族休暇、リフレッシュ休暇の復活を求めてきましたが、府当局は要求に応えませんでした。
私たちの賃金は民間労働者の賃金に大きく影響されます。大幅な賃上げを実現するには、府内の民間企業で働く労働者の賃上げが必要です。府労組連は、2024春闘での大幅賃上げをめざし、民間労働者と連携して取り組みを進めます。
欠員を補充し、長時間労働の解消を
この間の交渉では、職員・教職員の長時間労働が解消するどころか深刻化している問題も明らかになり、職員・教職員の増員はもとより、欠員の補充、「前倒し任用」の拡大について強く求めました。
これに対し、当局は「指摘の点は受け止める。臨時的任用職員の行政職への拡大を検討する」「(教職員の前倒し任用は)国の通知を踏まえて検討する」など、問題意識については共有するものの具体的な方策を示すには至りませんでした。
あらためて、職員・教職員の増員、長時間労働の解消をめざして取り組みを進めます。
相対評価の下位区分の分布割合なくすべき
相対評価については、大阪府が「組織・人事給与制度の今後の方向性(素案)」を公表し、下位区分を5%にするとしている点について「下位評価に分布割合を設けていること自体が問題であり、府当局が実施した検証結果でも明らかになっている」と指摘し、下位評価の分布割合をなくすよう求めました。
また、この間、府労組連が求めていた評価・育成システムの「教職員アンケート」については、「予算の確保など、早期の実施に向けて検討している」との回答がありました。
子育て支援やモチベーション向上につながる休暇制度の拡充を
休暇制度の拡充については、非常勤職員の病気休暇・特別休暇の有給化、家族休暇やリフレッシュ休暇の復活、不登校の子や障害のある子を養育する職員が取得できる休暇の新設などを求めましたが、いずれも「国の制度」を理由に困難との回答でした。子の看護休暇の取得要件や対象の拡大については「国の動向を注視する」との回答が示されました。
引き続き、休暇制度の拡充をめざして取り組みを進めます。
この他にも、メンタルヘルス対策やハラスメント対策の強化については「府労組連の意見も聞きつつ取り組む」との回答もありました。
労働組合なしに賃上げ、労働条件改善、働きやすい職場づくりはできません。労働組合の力を高めるためにも、一人でも多くの人の加入が必要です。未加入の方は、ぜひ、府職労、大教組に加入してください。
2023年秋季要求「最終回答」と府労組連の態度
要求項目 |
回答要旨 |
態度(案) |
1.労使慣行遵守 |
・経過を尊重し、双方の努力により築く。給与・勤務条件は、知事部局において検討を行っている「組織・人事給与制度の今後の方向性(素案)」の取組みなども踏まえ、所要の協議。 |
・遵守を求める |
2.職員・教職員の賃金・諸手当改善、非常勤職員の賃金・待遇改善、再任用職員の賃金・待遇改善 |
・月例給については、人勧どおり実施する。給料表は令和5年4月1日から引上げる。 ・医師及び歯科医師の初任給調整手当は令和5年4月1日から、支給月額の限度を251,700円に引上げる。 ・技能労務職給料表は、行政職給料表に準じた取扱いとし、その他も行政職給料表が適用される職員に準じる。 ・会計年度任用職員の報酬及び期末手当は、常勤職員に準じて、令和5年4月1日から改定する。 ・令和6年4月1日から在宅勤務等手当を新設し、同手当を支給される職員の通勤手当に関し所要の措置を講ずる。 ・通勤手当について、子育て中の職員等の負担軽減を図るため、認定基準を緩和する。 ・宿泊料について、実費額で支給できるように検討する。 ・オンコール手当の新設は、検討したが現時点では難しい。国の動向を注視。 |
・人勧実施については受託。さらなる賃上げを求める ・通勤手当の認定基準の緩和については、対象の拡大を求める ・その他は交渉継続 |
3.一時金の引上げ |
・期末勤勉手当を現行条例に基づき12月8日に支給する。 ・令和5年4月1日から年間0.1月分を引上げ、年間4.5月分に改定し、その割振りは、「期末手当」と「勤勉手当」に均等に配分する。 ・会計年度任用職員に対し、令和6年度から勤勉手当を支給する。 |
・一時金の引上げ、非常勤職員への勤勉手当は受諾 |
4.相対評価の中止、「評価・育成システム」廃止・撤回、評価制度の賃金反映撤回 |
・人事評価の目的は、「職員の資質・能力及び執務意欲の向上」であり、令和6年度より見直しを検討している。 ・「評価・育成システム」は、引き続きより良い制度となるよう今後も必要に応じて改善に取り組む。教職員アンケートについて、予算の確保など早期の実施に向けて検討している。 |
・交渉継続 |
5.府職員・教職員の定数増 |
・知事部局については、必要に応じた人員配置に努め、適正な勤務労働条件の確保等に取り組む。 ・教職員定数について、文部科学省では、令和6年度概算要求において、新しい時代の学びの環境の整備に向けて、小学校高学年における教科担任制の強化と35人学級の計画的整備等を図るための予算が計上。引き続き、国へ定数改善を働きかける。 |
・交渉継続 |
6.異常な時間外勤務の解消、労働時間短縮 |
・時間外勤務等の適正化、年次休暇の使用促進について、「ゆとりの日及び週間」の実施、「ゆとり推進月間」における様々な取り組み等を通じて、その実効性の確保に努めている。 ・在宅勤務や時差勤務は、十分に協議しながら進め、フレックスタイムについては、公務の運営に支障がないと認める場合に、職員の申告を経て勤務時間を割振ることができるという制度趣旨を徹底する。 |
・交渉継続 |
7.教職員の異常な長時間・過密労働の解消 |
・各学校長、市町村教育委員会に対して指導しているところであり、勤務時間管理については、各学校長により適切に行われるものと認識。 ・令和5年4月からグループウエアを活用した校務運営の効率化の取組み及び週1回以上の全校一斉定時退庁日を開始し、令和5年9月からデジタル採点の取組みを開始した。 ・今年度の夏季休業期間に、府立学校及び教員を対象に働き方改革の取組状況や基本的な業務量を把握するためのアンケート調査を実施し、その結果を公表した。 |
・交渉継続 |
8.休暇等の制度拡充 |
・子育て部分休暇の対象となる子について、令和6年4月から小学校6年生まで引上げ。 ・知事部局における退職された職員の再採用について、令和6年度から育児、介護、転職等により退職した職員を対象とした採用選考を実施する。 ・職員が安心して休暇を取得できるよう臨時的任用職員制度の一般行政職等への拡充について検討している。 ・子の看護休暇の取得要件や対象の拡大については国の動向を注視する。 |
・子育て部分休暇については受諾 ・その他は交渉継続 |
9.職場環境改善、労働安全衛生対策 |
・労働安全衛生対策は、その運営の充実に努めている。 ・快適な働きやすい職場環境づくりに努める。 ・ハラスメント対策は、重要な取り組み。府労組連の意見も聞きつつハラスメント防止に向けた取組みを進めていきたい。 |
・交渉継続 |
10.咲洲庁舎撤退、安全で快適な職場 |
・職場環境の改善については、引き続き努力していく。 |
・交渉継続 |
11.福利厚生の拡充 |
・共済組合や互助会等と役割分担を図りながら対応。 |
・交渉継続 |