2023国民春闘 いつまでも続く物価高騰 今こそ大幅な賃金アップで暮らしを守ろう

マクドナルドがこの1年に3度も値上げするなど、値上げラッシュが私たちの生活を直撃しています。それなのに、働く人の賃金は上がっていません。大阪府職員も4年間給料が上がっていません(初任給・若手職員をのぞく)。今こそ、大幅賃上げが必要です。

なぜ給料が上がらないのか

物価が上がり続けているにもかかわらず、日本では1997年以降、26年間も賃金が下がり続けています。こんな国は先進国では日本だけです。他の先進国では、継続的な最低賃金の引上げなど、労働者の生活を支えることで不況を打開し、経済成長させています。不況を理由に最低賃金の引上げを抑制し、賃下げや派遣切りを強行したのが日本です(グラフ①)。
「日本の企業が儲かっていないから賃金が上がらなくてもしかたないのでは」と考える人もいるかもしれません。果たして本当にそうでしょうか。大企業(資本金10億円以上)は、内部留保と呼ばれる「儲けの蓄え」を増やし続け、2022年には500兆円を超えました。
労働者の実質賃金(※)は減少し続け、生活は悪化し続けています(グラフ②)。大企業がどんなに儲けても、労働者に還元されないことが明らかになっています。
いま必要なのは、巨額な内部留保の一部を取り崩して、すべての労働者の賃上げにまわすことです。また、非正規雇用の正規化をすすめ、正規と非正規・男女の処遇格差は早急に是正することが求められています。

※実質賃金…労働者が実際に受け取った給与である名目賃金から消費者物価指数にもとづく物価変動の影響を差し引いて算出した指数。労働者が給与で購入できる物品やサービスの量を示しており、個人消費の動向にも影響します。厚生労働省が毎月勤労統計調査で公表しています。

府職員の給料アップと春闘とのかかわり

賃金は、労働組合と使用者(雇用主)が交渉して決めていくのが基本です。しかし、公務員からは不当にもストライキ権がはく奪され、活動が制限されているため、人事委員会勧告制度がつくられました。
大阪府職員の給料は、毎年10月に大阪府人事委員会が知事と議会あてに「職員の給与等に関する報告及び勧告」を行い、その「勧告」を踏まえて、秋季年末闘争で労働組合と府当局が交渉し、議会での条例改正を経て決まります。
労使の交渉が重要であることは言うまでもありませんが、人事委員会勧告も大きく影響します。人事委員会は、4月時点の民間労働者の給料等を調査し、その比較によって「勧告」しているからです。民間労働者の給料が上がれば公務員も上がるということです。また、公務員の給料を参考にする民間企業も多いので、相互に影響を与え合う関係にあります。
春闘で民間労働者の賃金が上がれば、最低賃金の引上げにも大きく影響し、民間と比較する人事委員会勧告もプラスとなります。そして、その次の春闘にもプラスの影響を与えます。このような賃上げの好循環となる取り組みを作ることが必要です(上図)。

政治の力で賃上げは可能

岸田首相は、年頭の記者会見で「持続可能で格差の少ない力強い成長の基盤を作り上げる。そのために『賃上げ』を何としても実現する」と述べ、経済界に対し、今年の春闘で物価上昇率を超える賃上げ実現への協力を求めるとともに、政府としても公的部門で働く労働者などで同様の賃上げの確保をめざす方針を示しました。
最低賃金や公務員賃金の引上げ、中小企業支援は政治の力でできることです。そして、そのことが労働者全体の賃金水準の引上げ、経済の活性化にもつながります(グラフ③)。

安心して働ける職場を

3年以上にも及ぶコロナ禍のなか、府職労は住民のいのちとくらしを守る医療・公衆衛生と社会保障の拡充を求め運動をすすめてきました。同時に、慢性化する長時間過密労働から職員のいのちと健康を守る、職場での運動にとりくんでいます。2023国民春闘では、「いのちを守る」「憲法をいかす」「格差を解消する」ことを柱に据え、大幅賃上げ、社会保障の拡充、安心して働ける職場づくりをめざします。政府・財界に対する国民的な世論を広げるため、すべての組合員が組合活動に参加する全員参加型の運動で2023国民春闘をすすめていきましょう。

労働組合で声をあげれば要求実現できる

労働組合の力が強ければ強いほど、要求実現に近づきます。労働組合を強く大きくすることは、私たちの暮らしがよくなることにつながります。
誰もが安心して働き、生活していくことができる職場、社会を作っていくため、みんなが労働組合に加入し、声をあげましょう。

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