緊急申入れ 過労死ライン超え 見て見ぬふりの人員削減は安全配慮義務違反

「万博」「IR」推進のための全庁的な人員削減はあり得ない

11月28日、総務部長は、知事の決裁を受けたとして「令和5年度人員体制の編成について」を各部局長に通知しました。その内容は、①「行政職については、職員の年齢構成の変化に対応しつつ、特定の重要課題に着実に取り組む必要性から、課長補佐級以上のポストの削減目標を設定する」とし、50人のポスト削減、②「新たな人員配置を必要とする行政需要等への対応については、各部局内でのスクラップアンドビルドにより対応」、③「行政職については、特定の重要課題に重点的に人員を配置する必要性から削減目標を設定する」とし、40人の削減目標を掲げています。

口先だけの「働き方改革」ではなく「過労死ライン超え」の解消こそ急務

昨年度に月100時間以上の時間外勤務をした職員はのべ858人、その中には月248時間の時間外勤務、年間1692時間(月平均141時間)の時間外勤務をした職員もいます。過労により心身の不調を訴え休職する職員、退職を余儀なくされた職員も少なくありません。職員は過労死や過労自死と隣り合わせで日々業務に取り組んでいます。先日の団体交渉での府職労の追及に対し、府当局は「過労死ラインを超えるような事態は避けなければならない」と回答しています。

しかし、今回の通知では「長時間労働の是正、育児休業の取得促進、柔軟な働き方への転換など『働き方改革』の取組みを進める」と書きながらも、職員の過重労働の実態を直視することなく、万博やIRなどの「特定の重要課題」のために職員削減を各部局に求めています。

職員の過重労働実態を放置し、必要な職員を配置しないことは、使用者の「安全配慮義務」に反する行為であるとともに、府民に対して継続的・安定的に運営されるべき行政サービスの悪化をもたらすものです。

新規業務に必要な人は他部局の削減でなく職員定数増で対応すべき

府民の命と健康、暮らしを守り、「特定の重要課題」に対応するためには、必要な職員定数を増員すべきであり、各部局の職員の削減によって対応すべきではありません。新たな行政需要や重点施策、業務量増に対しては定数増で対応することが原則であり、最低限の責任です。

12月8日、府職労は「令和5年度人員体制の編成について(通知)」に抗議し、職員の命と健康を守り、過重労働を解消するための必要な職員定数増を求める要請書を提出し、誰もが気遣いなく安心して育児を行い、ライフワークバランスを実現し得るための必要な職員定数増を求めました。

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