みんなの力で賃上げを実現しよう

今すぐ!誰でもどこでも最低賃金1500円以上に

大阪地方最低賃金審議会は、最低賃金を31円引上げると答申し、10月1日より大阪府の最低賃金は1023円となります。しかし、1日8時間、月20日間働いても月収16万4千円にしかなりません。憲法25条で保障された「健康で文化的な最低限の生活」にはほど遠い実態です。

大阪労連がとりくんだ必要生計費調査では、大阪市で暮らす25歳単身者で、時間給1633円が必要との結果が出ています。

「最低賃金、上げ幅が過去最大」などの報道がありますが、上げ幅はわずか3・3%です。一方で会社役員報酬の上げ幅は34・3%で最低賃金の10倍以上です。役員報酬トップは43億3500万円で時給換算すると209万円になり、最低賃金(全国加重平均)961円の2174倍となります。

物価上昇に追いつかない引上げでは生活悪化に

この間の物価の上昇によって、賃金が上がらないもと、生活は悪化する一方です。最低賃金31円の引上げでは物価上昇にも追いつきません。

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる8月の大阪市の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いた総合では昨年より2・5%上昇し、7カ月連続の上昇です。ガス代が28・4%、電気代が13・0%上昇するなど、エネルギー価格の上昇も続き、食用油や食パンなどの食料が4・8%上昇したほか、ルームエアコンや電気冷蔵庫など家庭用耐久財が13・4%の上昇となっています。

その一方で、大阪の労働者の賃金は、昨年と比べ名目賃金指数で2・4%増となっていますが、消費者物価指数を反映した実質賃金指数では0・2%減となり、5カ月連続の減少となっています。賃上げが物価上昇に追いついていない実態が明らかです。

10月からは過去最多規模数の食品の値上げラッシュとも言われており、この秋は大幅な賃上げの実現が急務です。

政治の力で賃上げは可能

日本では26年間も賃金が下がり続けています。こんな国は先進国では日本だけです。「100年ぶりの大不況」と言われた2008年のリーマンショック後も、イギリスをはじめとする先進国は、継続的な最低賃金の引上げなど、労働者の生活を支えることで不況を打開してきました。

しかし、不況を理由に最低賃金の引上げを抑制し、賃下げや派遣切りを強行したのが日本です。また、2年前にはコロナを理由に最低賃金を抑制しました。その結果、大企業はコロナ禍でも着々と内部留保などの利益を増やしています。

最低賃金や公務員賃金は政治の力で引上げが可能です。そして、そのことが労働者全体の賃金水準の引上げ、経済の活性化にもつながります。

秋季年末闘争で大幅賃上げと労働条件改善を勝ち取ろう

8月8日、人事院は国会と政府に対して、国家公務員の給与に関する勧告をおこないました。給与に関する勧告は、官民較差が921円(0・23%)であることから、初任給の引上げ、若年層のみ給料表の改定を行い、一時金については、勤勉手当を0・10月引上げると勧告しました。3年ぶりの引上げ勧告ですが、物価上昇に全く追いつかない、生活改善にほど遠いものです。

これを受けて10月半ばには、府職員の給与について、人事委員会が勧告を行います。その後、府職労は秋季年末要求書を提出し、賃金引上げや労働条件の改善をめざして、団体交渉などの取り組みを行います。

コロナ禍のもとで奮闘する全ての職員の生活改善につながる賃上げや労働条件の改善を実現するには、多くの仲間の力が必要となります。一人ひとりの組合加入が大きな力となります。労働組合に加入していっしょに声をあげましょう。

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