いったいいつまで続くのか… 保健所の夜間・休日の持ち帰り電話

コロナ禍が2年半も続いているにもかかわらず、いまだに本庁や保健所等では、コロナ対応による長時間労働が続いています。府職労の取り組みもあって、職員は増員されていますが、長年にわたって削減されてきた数には追い付かず、長時間労働は解消されていません。いまだに過労死基準を超え、多くの職員が「死ぬかもしれない状態」で働かされています。

加えて、保健所では夜間・休日の緊急電話(救急隊などからの電話)を職員に公用携帯を持ち帰らせて対応させるという状態がいまだに続いています。他の自治体では、保健所を通さずに救急隊が対応するシステムを作ったり、専門部署を立ち上げて医師等が複数対応する体制を作ったりしていますが、大阪府ではいまだに持ち帰り電話が続いています。

保健所職員からは「何とかしてほしい」と、悲痛な声が寄せられています。ただでさえ、長時間労働を強いられているにもかかわらず、持ち帰り電話によって貴重な休息や睡眠の時間まで拘束し、奪うことなどあってはならないことです。

府職労と健康医療・保健所支部は、このような事態の解消に向け、再度、それぞれ知事あて、健康医療部長あてに申入れを行いました。

知事、健康医療部長あて申し入れ

  1. 夜間・休日の持ち帰り電話対応のない体制を直ちにつくること。
  2. 夜間・休日の救急隊からの電話等については、入院フォローアップセンター等の専門部署を強化して対応するなど、保健所を介さない体制をつくること。
  3. 万が一、保健師等に夜間・休日対応させる場合は、本人同意を前提とし、持ち帰り電話を持たせている時間全てを拘束時間(勤務時間)とすること。もしくは、それに見合うオンコール手当を支給すること。

職員の声

たった1人で命にかかわる判断できない

  • 患者さんの家族から「入院させないで何かあったらお前が責任とれよ」と言われました。勤務時間内であれば所内検討し、保健所として判断できますが、不確実な情報をもとに1人で判断して対応するのはストレスが大きすぎます。
  • 命にも関わることなので責任が重く、怖いです。他の職員に相談すべきことは理解していても、深夜に他の職員に電話をするのはすごく躊躇します。
  • いつ着信があるかわからないので、ずっと神経を張り詰めていて休んだ気がしません。

買い物に行くこともできない
家族にも迷惑をかけ申し訳ない

  • 電話が鳴っていないのに着信音が聞こえることもあり、その都度、携帯電話の履歴を確認しています。
  • トイレにも持ち込んでいるし、入浴中は「着信あれば浴室まで持ってきて」と家族に頼んでいます。
  • 友人や家族と食事をしていても、着信があると会話を中断せざるを得ず、いつも申し訳なく思ってしまいます。
  • いつ電話がかかってくるかわからないので、買い物や出かけることもできません。お風呂にもゆっくり入れません。

忙しいときは睡眠2時間、一睡もできないことも

  • 忙しいときは睡眠時間は2時間以下でした。日中は眠くて頭が働かない。睡眠時間を確保するために入浴も2~3日に1回にしていました。
  • 電話が鳴るかもしれないと思うと夜中も2~3時間おきに目が覚め、眠ったような感じがしません。翌日は寝不足と倦怠感があります。
  • 夜中の1時に連絡があり、その対応に2時間かかりました。対応が終了してからも目が冴えて眠れず、一睡もせず出勤したこともあります。
  • 家族も電話を気にかけるようになり、家族の生活にも迷惑をかけてしまい申し訳なく思います。

主治医に休むように言われても休めない

  • 朝出勤中に電話が鳴りましたが、公共の場では対応できないので、一度家に戻って対応しました。
  • 寝ていて電話が鳴って起きて対応していると心臓がバクバクし、汗が滝のように流れることもありました。主治医からは仕事を休むように言われていますが立場上それもできません。
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