パンチ島田のさすらい放湯記

山鹿温泉 さくら湯

昭和48年に惜しまれつつ取り壊された「元湯」は、平成24年に山鹿市によって往時の趣を備えた九州最大級の木造湯屋として再生された。解体前のものを再利用した南北二つの玄関の唐破風、柱と梁の軸組工法や黄土と弁柄の漆喰の化粧壁が威風堂々とした重厚感を醸し、浴室にも昭和の古いポスターを貼る念の入れ様。滑りが強い無色透明の湯の豊富な気泡は鮮度と湯量の証だが、「山鹿千軒盥無し」とはよく言ったもので、浴槽、カラン、飲泉は、各々異なる泉源からの湯をかけ流すというから恐れ入る。数多ある共同浴場の最高峰と言って差し支えなし。

※温泉情報

①入浴施設・0968(43)3326

②熊本県山鹿市山鹿1-1(J九州新幹線新玉名駅から産交バスで「山鹿温泉(八千代座入口)」下車すぐ)

③350円

④低張性―アルカリ性―温泉・アルカリ性単純温泉、神経痛・筋肉痛など

公式サイト https://yamaga.site/?page_id=1548

(島田祐輔)

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