12月15日、府当局は府職労に対し「会計年度任用職員の給与決定制度の見直しについて」提案しました。
この間、府職労が声をあげ続けたことに対し、提案されたものです。
内容は極めて不十分であり、会計年度任用職員の生活の改善にはほど遠いものですが、この前進を足がかりに、引き続き労働条件の改善をめざして取り組みを進めます。
提案では「会計年度任用職員の給与決定について、地方公務員法に定める均衡の原則などの給与決定原則を踏まえ、当該職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号給の給料月額を基礎として、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識、技術及び職務経験等の要素を考慮する制度に見直す」としています。
また、報酬単価が最低賃金額を下回る場合は「最低賃金額とする」としています。
事務・技術職員時給38円引上げ
その結果、非常勤作業員について「事務・技術補助員」は時給38円引上げとなります。非常勤嘱託員についても「保健師、ケースワーカー」は22円引上げ、「電話交換手、調理師」は88円引上げ、「薬剤師」は96円の引上げとなります。
しかし、その他の職種では、「現行どおり」となっており、引上げになっていません。
また、非常勤作業員については、上限(8年)を設定し、経験加算を行うとなっています。※詳細はPDF参照※
最低でも高卒初任給水準以上に
今回の提案では、基礎となる時給を常勤職員の給料表の初号給(1級1号給)としていることに問題があります。府職労は「最低でも高卒初任給水準を基礎とし、経験年数による加算を行うべき」と主張し、提案の見直しを求め、引き続き折衝・交渉を強化します。
最低賃金引上げ全ての労働者の賃上げに全力を
今回の提案によって、会計年度任用職員の給料が、行政職給料表等に準じたものとなったことにより、今後は一般職員と同様に給料表の改定にともなって引上げられることになります。
また同時に、最低賃金の引上げによっても、引上げが可能になります。
府職労は、民間企業で働く仲間とも力を合わせ、2022春闘の取り組みにおいて、全ての労働者の賃上げと、最低賃金の引上げをめざす取り組みも強め、引き続き、府関係職員全体の賃金水準引上げをめざします。
また、休暇制度など、会計年度任用職員の待遇改善にも引き続き取り組みます。
みんなが労働組合に加入し
常勤職員も会計年度任用職員も
働きやすい職場をつくりましょう
府職労は、大阪府で働く全ての職員の労働条件の向上をめざして、取り組みを進めています。非常勤職員の賃金引上げ、労働条件の改善については、正規職員との均等待遇を求め、くり返し要求し交渉などでも追及してきました。
今回の「会計年度任用職員の給与決定制度の見直し」提案もその成果です。
このように、少しずつでも現状を改善していけるのは、労働組合があって、声を集め、交渉などで声をあげることができるからです。
労働組合の活動は、組合員によって支えられています。組合加入者が減れば、当然活動もできなくなります。
みんなが働きやすい職場をつくり、労働条件を改善するために、労働組合に加入しましょう。
会計年度任用職員の待遇改善は緊急の課題
府職労が10月~11月に取り組んだ「非常勤職員アンケート」には103人の方から回答が寄せられました。
アンケート結果では、府の非常勤職員としての収入は、約半数が5~10万円と、かなり低い水準となっています。 その結果、現在の賃金で満足している人は1割にも満たず、約7割が不満を感じながら日々仕事をしているのが実態です。
その他の労働条件や休暇制度については、「継続雇用」を望む声が圧倒的(約73%)で、「病気休暇の有給化」をはじめ、特別休暇の有給化を求める声や職場環境の改善などの要求が続いています。
正規職員との均等待遇を
厚生労働省は「雇用形態の違いによる不合理な待遇差は解消しなければならない」との考え方を示しています。
大阪府では、非常勤職員は雇用(任用)形態や勤務時間数に違いはあっても、正規職員と一緒になって府政推進の一翼を担って仕事をしています。また、経験年数を積んでスキルを向上させている方もたくさんいます。府職労は、実態に見合った賃金、労働条件を実現するため、引き続き取り組みを進めます。
会計年度任用職員も常勤職員と同じように、労働組合に加入し、一緒に声をあげることができます。声をあげずに黙っていたら良くなることはありません。労働組合に加入し、一緒に声をあげませんか。