10月26日、府労組連(大教組・府職労)は、知事あてに「2021年府労組連秋季年末要求書」(裏面に掲載)を提出しました。コロナ禍が続くもと、職員・教職員が住民の命や生活を守り、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するに相応しい労働条件の改善を強く求めました。
要求書の提出にあたり、北川委員長は、異常な長時間労働の実態を指摘し、直ちに解消し、災害時等であっても府民の命や暮らしが守られる府政の実現を求めました。また、コロナ禍で奮闘する職員・教職員の奮闘に応えるためにも、一時金(ボーナス)削減は行わず、職員・教職員が働き続けるための労働条件の改善を強く求めました。
【委員長あいさつの概要】
職員を命の危険に晒す 働かせ方を直ちに解消せよ
長時間過密労働は心身への影響が大きく、職員・教職員の命の危険にかかわる重要な問題。コロナ禍で業務が増え、人不足の状況が続き、長時間過密労働が深刻化している。
府内9保健所では8月の時間外勤務80時間以上となった職員が93人、100時間以上が47人もいる。府庁全体でも4月~9月に100時間以上の時間外勤務をした職員はのべ487人となっている。府立全日制高校でも7月に80時間以上の時間外勤務をした教職員が995人、うち100時間以上が552人となっている。いつ倒れてもおかしくない、命の危険に晒されながら職員・教職員は働いている。
「教員未配置」を解消し 子どもの教育を守れ
学校現場では産休や病休等の代替者が見つからず、教員未配置が月を追うごとに増え続け、10月1日現在、小中学校で151人の未配置となり、子どもたちの教育権を侵害する事態となっている。
府労組連は、コロナ禍以前より、長時間過密労働の是正は緊急の重要課題として指摘し、その対応を求め続けてきた。しかし、必要な施策が講じられなかったため、今の状況を招いている。
府庁の各職場でも学校現場でも人不足は深刻な問題になり「人がいないから安心して休めない」「まわりに迷惑をかけるので」と、制度があっても使えない事態となっている。
「人の確保」は当局の責任であり、人を増やすこと、「業務量に応じた人員配置」など長時間過密労働の解消、労働条件の改善・整備を強く求める。
コロナ禍での評価 制度は中止すべき
コロナ禍で職員・教職員は通常とは異なる業務を行っており、非常事態に全力で対応している。「人事評価」「評価・育成システム」は勤務意欲を下げ、チームワークに影響をおよぼす要因になっている。少なくとも、今年度は評価と給与反映を中止するよう強く求める。
経済回復には 賃上げこそ必要
府人事委員会は2年連続で「給与改定なし、一時金(ボーナス)引下げ」を勧告した。職員・教職員の奮闘に全く応えない勧告に怒りの声が広がっている。通常業務に加え、感染症対策をはじめ、さまざまな業務に取り組んでいる現場の実態を考えれば、賃金は引上げられるべきであり、一時金削減は断じて認められない。
2年前、府当局は府人事委員会勧告の「月例給平均3300円引上げ」を「厳しい財政状況」を理由に見送った。しかし、府の決算は13年連続の黒字であり、財源はあるはず。一時金引下げを行わず、抑制されている賃金を引上げること、会計年度任用職員、臨時教職員の賃金改善を強く求める。
公務員の賃上げは、民間労働者の賃金や大阪経済にも大きく影響する。コロナ禍で経済が落ち込んでいるからこそ、すべての労働者の賃金引上げによって、消費を拡大し、経済回復につながる。また、人を確保するためにも、賃金改善が重要である。
安心して働き続けるため、交渉強化し、要求実現へ
要求書を受け取った太田総務部長は「本府では府民の健康を守ることを第一にコロナ対策に取り組んできました。危機管理室、健康医療部、商工労働部をはじめ、全庁の応援体制で対応しているところです。職員のみなさんに、この場を借りて感謝を申し上げます。ご要求の項目については、各職場で奮闘していただいている職員のみなさんの給与・勤務労働条件にかかわる重要なものと認識しています。誠実に協議させていただく」と述べました。
府労組連は、コロナ対策下においても、職員・教職員が安心・安全に働き続けるための労働条件の改善をはじめ、切実な要求実現を求め、引き続き取り組みを強化します。