いのち最優先の政治へ
コロナ感染者数が8月19日に初めて2万5000人を超え、専門家からも「災害級の状況」と指摘されています。政府の感染拡大防止対策の致命的な遅れと責任放棄の「自宅療養原則」=「入院拒否」などの方針により感染拡大を防げず、重症者も急増しています。自宅で急変して亡くなる痛ましいケースも多発しています。オリンピック・パラリンピックの強行は、楽観ムードを醸成させ、過去最大の感染爆発を招く一つの要因となりました。こうしたコロナ対策が「人災」化し、医療機関のひっ迫を招いた責任は重大です。
この間のコロナ禍を経験し、私たちの命、くらし、仕事が政治と密接にかかわっていることをより強く実感できました。保健所をはじめ医療の体制がひっ迫し、これまでの府職員(公務員)削減政策によって、異常なまでの長時間労働の実態を招いています。このままでは、職員の命も住民の命も守れない事態となります。
8月末、大阪府は「令和4年度当初 組織改正について(案)」を発表しました。「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」「『副首都・大阪』の実現に向けた組織体制の強化」とのスローガンを掲げ、「社会全体のデジタル化や新型コロナウイルスの感染拡大等により、社会経済情勢は大きく変化している」として、「社会が変革期にあることをチャンスととらえ、『世界の中で躍動し、成長し続ける大阪』・『副首都・大阪』の実現に向け」さらに取組みを加速するために組織体制を強化すると説明しています。
果たして、いま大阪府がやるべきことは「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」「副首都・大阪」の実現でしょうか。コロナ禍の中で、多くの府民の命と健康が脅かされ、保健所や医療現場をはじめ、多くの職員が自らの身体や家族を犠牲にして、必死に奮闘しています。
今こそ、これまでの府職員削減や住民生活切り捨ての政策をあらため、職員の大幅な増員と公衆衛生・医療・福祉の充実こそ必要ではないでしょうか。
府職労は引き続き、職場のみなさんの声、そしてその先にある住民のみなさんの声に真摯に耳を傾け、取組みを進めていきます。
秋には衆議院選挙も行われます。私たちの仕事やくらしを良い方向へと変えていく大切な機会です。必ず投票に行って、声をあげましょう。
令和4年度当初 組織改正の方向性
1大阪の「成長」とそれを支える安全・安心の取組み
● スポーツ、アートをはじめとした分野において、成長の視点から全庁横断的にシーズの発掘や施策化に取り組むと共に、国際金融都市の実現を進めるなど、大阪の成長戦略の司令塔となる組織を政策企画部に設置します。
● 大阪の成長を支える都市基盤・住環境整備や、自然災害への対応など安全・安心の確保をより一体的に推進するため、都市整備部と建築部(現住宅まちづくり部)を統合します。
2「人口減少・超高齢社会」の到来に伴う諸課題への対応
● 困難な行財政運営に直面する市町村に対し、広域連携の取組みなどを積極的に支援し、基礎自治機能の充実を図るための組織を総務部に設置します。
● 少子化対策や子どもの貧困、青少年の健全育成など子ども・青少年をとりまく多様な課題に一体的に取り組み、子ども・青少年施策をリードする組織を福祉部に設置します。