安心して働き続けられる職場をめざし夏季要求書提出

要求実現!コロナワクチン接種は職免対応で

6月4日、府労組連(大教組・府職労)は、知事あてに「2021年府労組連夏季要求書」を提出しました。コロナ禍が続くもと、職員・教職員が住民の命や生活を守り、子どもたちにゆきとどいた教育を保障するに相応しい労働条件の改善を強く求めました。また、2日には「新型コロナウイルス感染症に関する服務の取扱いの変更について」提案があり、府労組連が強く要求していた「①コロナワクチン接種を受ける場合、②接種後の症状により療養する必要がある場合」は、職務専念義務免除対応(非常勤職員を含む)が実現しました。

 要求書の提出にあたり、北川委員長は、この間のコロナ関連の職免対応やワクチン接種時にかかる職免対応等、私たちの要求に対する前向きな対応に感謝の意を述べるとともに、コロナ禍で奮闘する職員・教職員の労働条件の向上を強く求めました。

 

■委員長あいさつの概要

コロナ禍での奮闘に応える給料・一時金の引上げを

 昨年は、一時金の0.05月引下げが強行され、月例給改定はありませんでした。コロナ禍で業務負担が増える中で、府民のいのちと暮らしを守るため、身を粉にして働いている職員・教職員の奮闘に全く応えないものです。2019年度は人事委員会勧告の月例給3,300円引上げ勧告を実施せず、2020年度は人勧どおり一時金を引下げ、給与改定をしないことは全く道理がありません。コロナ禍で経済が落ち込んでいるからこそ、すべての労働者の賃金引上が個人消費拡大を促し、経済回復へと確実につながっていきます。そのためにも、公務員の賃上げは不可欠です。賃上げを強く求めるとともに、この間の給与制度の改悪にともなう賃金格差や最高号給滞留問題などの改善に向けて、給与制度の見直しや必要な措置を求めます。

住民サービス向上や教育の充実につながる「定年引上げ」制度を

 また、公務員の「定年引上げ」については、雇用と年金の接続の原則や職務給の原則にもとづき、給与抑制や諸手当の削減等を行わず、現在のコロナ禍も踏まえた災害対応できる職員体制の構築、公務公共サービスや公教育の充実につながる制度とするよう求めます。

不急の業務を見直し、長時間労働の解消を

 コロナ以前より、長時間過密労働の是正は喫緊の重要課題として指摘し、その対応を求めてきましたが、十分な対策のないまま、コロナ禍となり、いっそう深刻になっています。長時間働くことで十分な睡眠がとれず、疲れが取れないなど、健康面での影響も大きく、長時間過密労働の解消は、職員・教職員のいのちの危険にもかかわる重大な問題です。不急の業務の見直し、必要な部署への応援体制の強化など職員・教職員の労働条件の改善を早急に求めます。

「教育に穴があく」事態の解消、業務量に見合った人員配置を

 また、学校現場においては「教育に穴があく」、教職員未配置の状況が慢性化し、2021年3月には、小中学校だけで常勤教員218名の「穴あき」となっており、教職員の業務負担をさらに増やし、長時間過密労働の一因になっています。「人を確保すること」は当局の責任です。緊急事態に対応できる人員増、「業務量に応じた適切な人員配置」など早急に対応されるよう強く求めます。

コロナ対応下での人事評価、賃金リンクは緊急に中止すべき

 コロナ禍で、府庁も学校も非常事態の対応が迫られ、通常とは違う働き方が続いています。そのような状況の中で、中止を求める多くの声に反して、「人事評価制度」「評価・育成システム」が実施されました。

 連日連夜コロナ対応をしているある職場の職員からは「この一年間、突発するコロナ対応もあり、休日、夜間の対応もし、府政に大きく貢献してきたつもりですが、相対評価で第五区分をつけられました。一年間、すごく大変な思いをしてきたのに、こんな評価をされて強い不満、不公平感を感じる」という声も届いています。

 評価結果は、職員の賃金に影響を与えるだけでなく、精神的にも大きな影響を与え、職員の未来さえ奪いかねないものです。「条例で決まっているから」では済まされない問題です。コロナ禍で昼夜分かたず、自らの身体や家族を犠牲にして業務にあたり、部局を超えた異動や応援、子どもたちの安全確保など、想定を超える業務にあたる職員・教職員の奮闘に少しでも応えたいという気持ちがあるのであれば、最低でも昨年度の評価結果の賃金リンクは中止し、今年度については、業務軽減の意味からも評価そのものを緊急中止すべきです。

 

 要求書を受け取った太田総務部長は「本府では府民の健康を守ることを第一にコロナ対策に取り組んできました。危機管理室、健康医療部、商工労働部をはじめ、全庁の応援体制で対応しているところです。職員のみなさんに、この場を借りて感謝を申し上げます。ご要求の項目については、各職場で奮闘していただいている職員のみなさんの給与・勤務労働条件にかかわる重要なものと認識しています。誠実に協議させていただく」と述べました。

 府労組連は、コロナ対策下においても、職員・教職員が安心・安全に働き続けるための労働条件の改善をはじめ、切実な要求実現を求め、引き続き取り組みを強化します。

【PDF版(3MB)】

ページトップへ