10月22日の橋下知事の辞職・大阪市長選挙出馬表明にあたって、府職労は書記長談話を発表しました。
橋下知事の辞職表明にあたって(書記長談話)
10月22日未明、橋下知事は、来年2月5日までの任期を残し、辞職を表明し、その後の記者会見で大阪市長選挙への出馬を表明しました。今回の辞職は、府知事選挙と大阪市長選挙(11月27日)のダブル選に持ち込むためであり、府民不在の「大阪都構想」に執着する無責任な体質をあらわにしたものです。
橋下知事は、就任と同時に「大阪府は破産会社」と煽り立て、府職員の給与カットなどを突破口に、救命救急や防災・福祉・教育・中小企業関連予算など、府民のいのちと暮らしに直結する施策を次々に削り続けてきました。その影響は、府民生活に大きく及び、全国平均を大きく上回る企業倒産件数、完全失業率、生活保護率などの数字に表われています。府内総生産・府民所得も減少し、大阪経済の低迷は深刻になっており、府民の生活や中小企業の支援こそ求められています。
このように深刻な府民の生活や中小企業の経営を放置し続け、大阪市の権限と財源を一手に握るために「大阪都構想」を打ち出し、知事の任務を放り出して、大阪市長選挙にくら替え出馬することは、府民の暮らしをかえりみない橋下知事の本質を表しています。
橋下知事は、府議会や職員・府民の声や指摘を無視し続け、WTCビルを購入し、事実上の府庁移転を強引に進めてきました。専門家の再三の指摘により「全面移転は断念」しましたが、引き続き府庁舎として使用する考えはあらためていません。大手前と咲洲の両庁舎の維持には、今後30年間で約1200億円かかると試算され、税金のムダづかいを拡大するものです。「庁舎移転」は、まさに税金のムダづかいであり、明らかに橋下知事の失政です。その責任は重大であり、府知事はもちろん、大阪市長になる資格もありません。
また、橋下知事は「職員基本条例案」「教育基本条例案」(以下「2条例」)を自らが代表を務める「維新の会」を通じて、府議会に提出しました。この「2条例」を府知事選挙・大阪市長選挙の争点の1つにするのが狙いであり、教育や行政を「政争の具」にすることは許されません。また「2条例」提出は、職場と府民を大混乱させ、多くの府民や識者からも反対の声が広がっています。
府職労は、この4年間、「憲法を職場と暮らしのすみずみに生かし、働くルールを確立する」「府民のいのちと暮らしを守る府政を実現する」「誇りを持って仕事のできる職場づくりをすすめる」という立場を明確にし、橋下知事のさまざまな攻撃に対し、真正面から堂々と対決してきました。
いま、東日本大震災を受け、日本の政治のあり方や自治体のあり方が根本から問われ、自治体労働者の役割も大きく見直されているときです。今度の府知事選挙は、府政を府民の手に取り戻すと同時に、府職員の誇りや働きがいを取り戻す大きなチャンスです。
府職労は「2条例」撤回、秋季年末要求の実現をめざし、全力で取り組みをすすめると同時に、すでに府知事選挙への出馬を表明している「明るい会」の梅田章二さんを先頭に「安全・安心、やさしさの大阪」「府民のいのちと暮らしを守る府政」の実現に全力を挙げるものです。