咲洲庁舎(旧WTCビル)への本庁舎移転を断念した橋下徹知事は24日の定例会見で、購入を決めた判断について「地盤と建物の固有周期が一致した場合に問題があると言われ始めたのは、3月11日の東日本大震災以降」と指摘し、「(購入時には)正直、そこまでの認識はなかった」などと述べ、購入時の判断については「やむを得なかったというよりも、最善の判断をしたと思っている」とした。
府職労は、府庁のWTC移転について、防災、府民サービスや業務、費用などの点から問題があり、移転・購入を行わないよう求めてきた。また、多くの専門家が当時より防災上の問題点や危険性を指摘し続けてきた。しかし、橋下知事はそうした指摘には全く耳を傾けず、庁舎移転計画を強引に押し進めてきた。全面移転を断念せざるを得ない状況に追い込まれた今になって「そこまでの認識はなかった」「(購入時の判断は)最善の判断」などと発言することは、無責任極まりなく、府民を愚弄するものである。
咲洲庁舎(旧WTCビル)の購入費用85億円に加え、部局移転費用、130億円とされる耐震補強費用は、「庁舎移転条例案」が府議会で否決されたときに、橋下知事が庁舎移転を断念していれば、不要であった費用であり、税金のムダづかいの最たるものと言わざるを得ない。
この間、橋下知事は、財政難を理由に「救命救急センター事業への補助金廃止」「防災関連予算4割カット」など府民の生活に関わる施策を次々と切り捨て、職員には人件費削減を行ってきた。また、橋下知事は、水道企業管理者が水需要予測を失敗し、380億円の損失が出たことに対し、全職員へメールを送信し「民間の普通の会社なら、組織あげて真っ青ですよ!!組織ががたがた震えます。大騒動。大激震。」と述べ、さらには「行政として色々言い分があるかもしれないが、まずは謝罪。謝罪したら、後の裁判で不利になるとか、そんなことはありませんし、そんなことを言ってる場合ではない。府民に謝って、そこから自分たちの言い分を述べる。」と述べている。橋下知事は、過去のメールで自らも言っているように、まずは大阪府に多大な損失を与え、莫大な税金のムダづかいをしたことを府民に謝罪し、責任を取るべきである。
咲洲庁舎へは、すでに多くの部局が移転し、現在までに2,000人の職員が働いているが、多くの職員が業務のやりにくさや府民サービスの低下、防災上の危機感を感じている。大阪府が行った「庁舎の執務環境等に関するアンケート」によると、咲洲庁舎に勤務する職員の90%が執務室の安全性(震災・火災等に対する備え)について「不安・やや不安」と回答している。
府職労は、咲洲庁舎を第2庁舎とする計画は直ちに白紙撤回し、大手前における耐震改修と集約庁舎による本庁舎を整備するよう要求し、取り組みを強化するものである。また、旧WTCビルの活用については、今後府民との対話の中でその方法を検討すべきである。
≪参考資料≫
【橋下知事が全職員に送信したメール(2009.10.1)】
余野川ダムの中止に伴い、箕面市が国にこれまで払ってきた負担金の返還を求める動きをしました。当然のことだと思います。
その旨を立ちレクで話しましたら、担当部局から、実は箕面市が払っていた金額の85%は府のお金であるとの報告を受けました。
もっと金についてはシビアにあるべきです。大阪府分は5億ほどらしい。5億ですよ!!!!5億のお金、必死になって国から返してもらうべきです。
補助金を受けて府が施設を作り、その施設を廃止にしようものなら、国は補助金を返せと言ってくる。
ダムの負担金をこれまで取られ、国がダムを中止にしたら地方に返さないなんてあり得ません。
どうも税金に関して、僕の感覚と、役所の皆さんの感覚は違います。
昨日の議会答弁、水需要予測の失敗によって380億円の損失が生まれたことに関しても、恐ろしいくらい、皆さんは冷静です。
何とも感じていないような。
民間の普通の会社なら、組織あげて真っ青ですよ!!組織ががたがた震えます。
大騒動。大激震。ボーナスなんて簡単に吹っ飛ぶでしょう。
それが、淡々と、水道企業管理者が水需要予測の失敗の要因を述べて、淡々と、これからはこのような過ちを繰り返さないようにしますと話すだけ。
それで終わりです。組織も、何事もなかったように過ぎていく・・・・・
青ざめている様子は全くなし。僕にはこの感覚が全く理解できません。
380億円の投資の失敗が、このように終わっていく。
こういうことで行政は、国は膨大な借金を増やしていったんでしょう。国からダム負担金を返してもらうのは当然のこと。もっと必死になるように。
返してもらえないなら、国に払う分を止めましょう。関空連絡橋の買取分くらいが丁度でしょう。
それよりも、皆さん、380億円の損失って、何にも感じませんか?何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです・・・・
橋下
【橋下知事が全職員に送信したメール(2009.10.2)】
知事の橋下です。 昨日メールした内容の詳細です。特に部長会議のところを読んでおいて下さい。
380億円、損失を出したら、まず謝罪する。責任論は別です。
水需要予測の方法について、行政として色々言い分があるかもしれないが、まずは謝罪。
謝罪したら、後の裁判で不利になるとか、そんなことはありませんし、そんなことを言ってる場合ではない。
府民に謝って、そこから自分たちの言い分を述べる。
一般府民の心に、メッセージを届かせようとすれば、相当なメッセージでなければならない。
組織として、本当に本当に申し訳ないという態度を示して、やっと府民にぼやっと伝わるくらいです。
380億とはとてつもないお金。まずは組織として、徹底した反省、謝罪。
人の心にメッセージを伝えようと思えば、そこまでやるかというくらいの態度振る舞いをしなければ伝わりません。
淡々と説明をするだけでは何も伝わりません。
橋下