パンチ島田のさすらい放湯記

満願寺温泉 満願寺温泉館

小さな川に沿って鄙びた宿と共同浴場が三軒ずつ並ぶが、うっかりすると温泉地とは気付かずに通り過ぎてしまう。底から湯が豊富に湧くその川の中にコンクリートで固めた露天風呂は近年「日本一恥ずかしい」として紹介されるが、その目の前の重厚な木造の建物なら気兼ねなく湯浴みができる。老朽化により七年前に建替えた共同浴場で、何故か男女とも大小二つの浴室を備え、大きい方では浴槽を二つに仕切り、浸かるのは端に「湯尻」の表示がある方で、もう一方は「上り湯」。無人でも極めて綺麗に管理され、滾々と湧き溢れる無色透明の源泉とそれを守る地域の温かさが身に染みる。

※温泉情報

①入浴施設・連絡手段なし

②熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺志津(JR豊肥本線阿蘇駅から産交バス「九州横断バス」で「満願寺入口」下車徒歩八分)

③二百円

④低張性―中性―高温泉・単純温泉、神経痛・筋肉痛など

公式サイトはありません

(島田祐輔)

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