私が府職労に加入したきっかけは、職場の先輩から声をかけてもらったからです。私は両親も組合員だったので、まわりの先輩は「当然入るだろう」という期待も感じていたかもしれません。しかし、当時の私は反発心も強く、生意気な口を叩いていましたが、先輩たちは大きな包容力で受け入れ、いろんな集まりにも誘ってくれました。
理想と現実のギャップに悩む日々
保健師として働き始めた頃は、それまで世間知らずで生きてきたので、住民のくらしや生き方に触れるたび、衝撃を受け、「保健師としての自分は何の役にも立てていない」と無力感を感じていました。
理想と現実のギャップに悶々と過ごしていたのですが、組合の先輩たちはいつも前向きで「個人の問題は社会の問題でもある」と教えてくれました。そうしたことを通じて「その人の生活背景や生きてきた歴史を知ることが大切」と思うようになり、少しずつ視野を広げられるようになりました。
保健所の若手職員で勉強会を企画したり、西成のホームレスの生活や飛田新地(遊郭)を案内してもらったり、岡山のハンセン病療養所に見学に行かせてもらったりと、実際に目で見て、肌で触れて感じたことは貴重な体験でした。
若いときの貴重な経験が財産に
青年部に興味を持ち始めたのはイラク戦争がきっかけでした。「世界で何が起こっているのか知りたい」「何か私にできることをやりたい」と思い、平和の取り組みに参加するようになりました。日本の戦争の歴史を学ぶため、全国の色んな所へ行かせてもらいました。
沖縄の戦跡めぐりでアブチラガマ(自然壕)に入った時、住民の苦しそうなうめき声が聞こえてくるような身震いする感覚、東京で「慰安婦」問題の被害と加害を伝える手記を読んだ時の血の気が引くような感覚は今でも覚えています。
公務員は、国の命令なら人権を侵害してしまう立場であることを自覚しなければと学びました。若い頃に、魂が揺さぶられるような出会いや経験をし、学ばせてもらったことは私の財産です。
労働組合の大切さを痛感
子育てに突入してからは組合活動に積極的に参加できなくなりましたが、働きやすい環境や労働条件の大切さを痛感しました。普通の会社だったら退職していたと思う事態でも、周囲のサポートや先輩たちが勝ち取ってきた制度のおかげで「今がある」と強く感じます。
より楽しく、つながりを大切に
ここ数年、府職労の活動が良い意味で変化してきたと感じています。委員長はじめ執行部のメンバーでブラッシュアップしながら「より組合員がつながれるように」「より楽しく活動できるように」と、型にはめずに自由な発想で取り組んでいます。会議もめちゃくちゃ面白い!進め方にすごく工夫があります。全国の組合からも先進的だと注目されているのが府職労なのです。
3年に及ぶコロナ禍では、「保健師、保健所職員増やしてキャンペーン」をあの手この手で展開し、長時間過重労働の実態を訴え、数十年ぶりに念願の人員増につながりました。1人の力は小さくてもみんなの力が集まれば、願いは叶うと感じました。
組合員がやりたいことを実現できたり、仲間としてゆる~くつながっていることが私の理想です。「みんなとともに、仲間とともに」先輩たちの志は忘れずに、これからも無理せず参加していきたいと思っています。
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