6月30日、府当局は「令和3年度人事評価結果」を公表しました。相対評価結果については、職員基本条例で定める「分布割合」に応じた分布となっているため、今年も1627人もの職員が下位評価へと落とされています(図参照)。
府職労は、相対評価が「意欲の向上」につながるどころか、職員のやる気を低下させていることを一貫して指摘し、直ちに中止するとともに、昇給や一時金(ボーナス)への反映の中止を強く求めています。
現行制度では根本的な矛盾は解消されない
昨年と同様に相対評価では、二次(絶対)評価でAの職員2380人のうち485人が「第三区分」へと落とされ、絶対評価Bの職員6089人のうち845人が「第四区分」へ、297人が「第五区分」へと落とされています。
その結果、同じB評価であっても、一時金(勤勉手当)と昇給に差がつけられるという深刻な事態が続いています。府職労の追及もあって、昇給への反映を単年度限りに限定するとの改善はされましたが、一方で一時金の格差を拡大するという改悪も行われています。絶対評価で同じ「B」であるにもかかわらず、「第五区分」に落とされた場合、一時金で数万円もの格差が生じます。協力し合って業務を進める職員にこんな格差をつける制度は、職場のチームワークや信頼関係を壊すものです。
これらの問題は、分布割合を決めた相対評価を続ける限り、絶対に解消されない制度上の矛盾です。制度を変えれば解決することができます。
コロナ禍での相対評価に矛盾が噴出
これまでも府職労は、機会あるたびに「相対評価は中止すべき」と意見を述べていますが、とりわけこの2年間は、コロナ禍の中で、年度途中の異動や応援、通常業務とは別のコロナ対策など、想定とは大きく違う対応をしなければならない状況のもと、評価を行うことによって職場に混乱をもたらし、職員のモチベーションにも大きく低下させる結果につながるので中止するよう求めてきました。
しかし、府当局は「地方公務員法」や「職員基本条例」を理由に強行しました。その結果、職場からは「コロナ業務などに携わり、必死で取り組んできたが、低い評価を受けた。完全にやる気を失ってしまった」「もう何も感じなくなるくらいショックを受けた」などの声が多数寄せられています。
コロナ禍という緊急事態の中、必死の思いで働いている職員のモチベーションを低下させるだけの相対評価制度は「百害あって一利なし」です。
府職労は引き続き、相対評価の中止を求めて取り組みをすすめます。