いのち守る33キャンペーン「労働基準法第33条学習会」がオンラインで開催され、全国各地から約80人が参加しました。大阪府職労から30人が参加しました。
学習会は小グループでのチェックインでスタートし、自治労連弁護団の増田尚弁護士より「第33条の何が問題なの?」と題した講義がありました。
講義では、コロナ禍における自治体労働者の長時間労働の問題に触れつつ、本来であればどの職場であっても、時間外勤務を命ずる場合は労働基準法第36条による協定(36協定)の締結が必要であることも指摘されました。
恒常的な時間外・休日労働には要員配置が必要
第33条の問題点については、第33条1項で「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合」「必要の限度において、時間外・休日労働をさせることができる」とし、厚生労働省もコロナ対応はこれに該当するとの考え方を示していますが、パンデミック当初の2020年3月時点はともかく、その後は、パンデミックによるものであるとしても、恒常的に時間外・休日労働が行われている場合には、もはや「臨時の必要」があるとも、「必要の限度において」、時間外・休日労働をさせているとは言いがたく、要員の配置や勤務体制の見直しなど人事労務管理上の措置や業務の見直し、効率化等の措置によって対応すべきだと指摘しました。
あくまでも臨時の必要性があるときに限定されるべき
また、第33条3項で「公務のために臨時の必要がある場合においては…時間外・休日労働をさせることができる」としている点について、恒常的・計画的な業務をさせる臨時の必要を超えるものでなければならないはずであり、パンデミック当初はともかく、その後は、「公務のために臨時の必要がある場合」と言えないと指摘しました。
「臨時の必要性」がある場合でも
「過労死基準超え」はあってはならない
こうした点を踏まえ、増田弁護士は、①全ての職場で36協定を締結し、時間外・休日労働に上限を設ける、②「公務のために臨時の必要がある場合」を厳格に運用させる、③33条3項による場合でも上限は必要であり「臨時の必要」の明確な期間設定させる、④11時間以上の勤務間インターバルや長時間労働の場合の休養期間の設定、⑤労働安全衛生委員会の活用などの必要性を述べました。
また、「よく月100時間以上、過労死基準を超える等と言われているが、そんな軽々しいものではなく、これは「人が死んでもおかしくない」という基準であって、あってはならないこと。こんな状態を長らく放置することは大問題である」と強調しました。
現場の声を伝える国会議員へのロビイング、署名提出へ
いのち守る33キャンペーンでは、今月には運動への協力を求める国会議員へのロビイング、来月以降に厚生労働大臣、総務大臣への署名提出を予定しています。そのためにたくさんの署名を集める努力をしています。ぜひ、ご協力をよろしくお願いします。
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