もう黙ってガマンするのはやめて
声をあげませんか

このままでは命と健康が…家族や大切な人が…
もう黙ってガマンするのはやめて
声をあげませんか

コロナ禍の1年半が経過しました。「早く収束してほしい」「日常に戻ってほしい」という私たちの願いに反するかのように、感染の波は押し寄せてくるたびに大きくなっていきました。

いま大阪府の職場には「いつ過労死してもおかしくない」とされている月80時間、100時間を超える時間外勤務を余儀なくされている職員が多数います。中には200時間を超えている人もいます。異常事態です。

先日から府職労にも多数の相談が寄せられています。

人間らしい働き方とは程遠い

―昼間は府民からのクレームなど多数の電話対応に追われ、つらい思いになり、それでも業務を進めるため2ヶ月連続で100時間を超える残業をして、朝も「電話が鳴る前に」と、始業の1時間以上前に出勤しているが、それでも人は増えないし先が見えない

―連日、終電直前まで残業しているので、子どもや家族との時間がまったく取れなくなってしまい、子どもにも家族にも申し訳なく、とてもつらい

人間らしい働き方とは程遠い状況です。

労働基準法は、人間らしい働き方を保障するために、原則として残業を禁止し、労働時間を規制しています。しかし、「災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合」や「公務のために臨時の必要がある場合」は、この規制の対象外とされています。

これは「コロナだから仕方ない」「公務員だから仕方ない」ということでしょうか。そんなことはありません。もちろん、公務員として使命を果たすために時間外勤務をしなければならないことは多々ありますし、災害時には住民を守るため、力を発揮しなければなりません。

だからこそ、日常的に必要な人を配置することが必要なのです。それを怠ってきた大阪府の責任こそ問われるべきです。しかし、私たちが黙っていたらその責任もうやむやになってしまい、また同じことが繰り返されるだけです。この数十年間、職員は減らされ続けてきました。同時に労働組合に加入する人も減り、だんだん声があがらなくなってしまいました。

労働組合に加入して
いっしょに声をあげよう

私は若いころ、沖縄の平和ツアーに参加しました。初めての沖縄でした。アブチラガマという戦時中に野戦病院として使われていた自然洞窟に入りました。真っ暗な闇の中で湿った土の匂いを感じながら聞いたガイドさんの話が心に突き刺さりました。「どうか忘れないでください。ここで死んでいった人たちは、どんなにつらくても、どんなに苦しくても、もう二度と声をあげられないんです…」

もし、誰も声をあげなければ、きっとつらい思いをする人、苦しい思いをする人が増えていくことになる。そして、大切な誰かの命まで奪われることになると思い、少しでも私の声を誰かのために届けることができれば…という思いで、声をあげ続けようと思っています。

大阪府はコロナ対策として一定の職員を増やしましたが、全然足りていないのは明らかです。また、業務委託や派遣労働者の雇入れなどもされていますが、根本的な解決に至っていません。職員の長時間労働や過重労働はまったく解消されていません。

みなさん、このままでは、大切な人の命や健康、家族や未来が奪われることになってしまいます。公務員も一人の人間です。犠牲になっていいなんてことは絶対にありません。しかし、このままみんなが黙っていては、絶対に状況は改善しません。

いっしょに声をあげませんか。そのためにまず労働組合に加入してください。「自分が入らなくても」「お金(組合費)もかかるし」という意見もあるかもしれません。でも、みんながそう考えてしまえば、誰も声が出せなくなり、ガマンするしかなくなってしまいます。

労働組合に加入していっしょに声をあげましょう。一人で悩んだり、抱え込んだりせずに、いつでも府職労を頼って相談してください。

(府職労委員長 小松 康則)

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