6月21日、府職労は6月18日に開催され「第53回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」において「飲食店見回り調査業務」が突然決定されたことに対し、吉村知事あてに緊急申入れを行いました。
府職員の飲食店見回りよりも、時短協力金業務や保健所業務等の応援を 不急の事業を休止・見直し、過労死寸前の職員の負担軽減を直ちに行え
大阪府は6月18日に開催した「第53回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」において「飲食店見回り調査業務」として、6月21日~7月11日までの21日間(土日も含む)、府職員による飲食店の見回りを行うとして、各部局に1日800人の職員の応援を要請しました。
具体的には「府内の約6万店の飲食店について、酒類提供の有無やゴールドステッカーの申請状況等を確認し、ゴールドステッカー未申請の店舗に対し申請を推奨すること等により、まん延防止等重点措置の実効性の確保を図る」としています。
事前の調整も行わず、6月18日(金)の対策本部会議でいきなり決定し、21日(月)からの実施を強行したため、職場は大混乱し、通常業務に支障をきたす職場も少なくありません。また、感染防止対策やゴールドステッカーに対する専門的・具体的な説明もない中での強行実施に不安や疑問の声も多くあがっています。
都市整備部には1日200名を超える職員応援が要請され、出水期を迎え府民の安全を守る水防業務(雨水、出水、洪水等の水災を防ぎ安全を保持する業務)等への支障も懸念されています。
大阪府ではコロナ第4波による感染者が急増し、コロナ病床不足による自宅療養者が1万人を超える非常事態となり、多くの方がお亡くなりになる事態となりました。また、長引くコロナ禍によって府民の生活は一変し、生きることへの目的を失い自殺する人、生活ができなくなった人、学校へ通えなくなった人、必要な介護・医療・保健サービスが受けられなくなった人も急増しています。こうした事態を招いたのは、現場の保健師や医療従事者、職員の声に耳を傾けず、現場との十分な調整を行わず、「スピード感」重視のトップダウンによる対策を押し進めてきた結果です。「想定外」という言葉で済まされる問題ではありません。
一方で、コロナ対策を重点的に担う保健所、健康医療部や危機管理室、時短協力金業務にあたる商工労働部を中心に、過労死ラインを超えて働かざるを得ない職員は増え続け、昨年1年間で月100時間以上の時間外勤務をした職員は549人となっています。
大阪府は「保健所体制の強化」として、断続的な派遣労働者等の配置を進めてきましたが、人の入れ替わりが多く、欠員状態が続くこともあり、継続した業務に支障が出ています。また、時短協力金業務についても全面的に民間委託した結果、支給率は全国最下位レベルとなっています。
いま、大阪府がしなければならないのは、その場しのぎのパフォーマンス的な飲食店見回りよりも、第5波を見据え「想定外」の事態も見据えた保健所体制の強化、時短協力金等の速やかな支給、ワクチン接種の推進等です。そして、過労死ラインを超える働き方が長期間に渡り続いている職員の負担を軽減し、職員の命と健康を守ることです。
府民の命と生活を守るため、府職員800人による飲食店見回りや不急の業務は休止し、保健所や健康医療部、危機管理室、商工労働部等への必要な応援体制等の措置を求め、以下のとおり申入れます。