なぜやめられないのか。先月の評価開示では例年どおり15%の職員が相対評価により給与の〝ペナルティ”を宣告された。激務が続く保健所をはじめとするコロナ対応職場、事実上の欠員となっても応援を厭わず業務を回す職場、全職員が府民の生命を守る業務を最優先に努力してきた。15%もの職員がペナルティを受けるような低水準の行政だとでもいうのだろうか▼成果主義賃金はバブル崩壊以降、人件費削減の口実として広がり、給与保障の企業責任を従業員責任にすり替え、給与カットの嵐と同時に評価につながらない業務が軽視され、生命にかかわる深刻なモラルハザードまで引き起こした。コンサル会社はコンピテンシーなど専門用語や公式をちりばめながら、さも客観的であるかのような評価制度を自治体にまで売込んだが、民間でも公務でも、評価に納得した人の話は聞いたことがない▼アンケートからも破綻は明らかだが、大阪にしかない職員基本条例があるから「仕方がない」と続けるのか。膨大な時間=人件費をかけて評価、調整を行った末に士気を奪う制度をやめる「改革」をこそ求めたい。(や)