府職労 第100回 定期大会を開催
コロナ禍だからこそ労働組合

声を上げなければ 何も変わらないことを実感

12月17日、府職労は「No Union No Life ここからはじめる未来への一歩」をスローガンに、マイドームおおさかで第100回定期大会を開催しました。

大阪府がコロナ「赤信号」を点灯し、外出自粛要請が延長されたため、急きょ予定時間を大幅に短縮し、万全の感染対策(座席間隔2m、マスク着用、検温、消毒の徹底、飲食禁止)をとって行いました。

短時間の大会となりましたが、心に響く発言が相次ぎました。すべての議案が全会一致で可決し、向こう1年間の取り組み方針をみんなで確認をし、感動的な記念すべき大会となりました。

代議員の発言

身近な要求を粘り強いたたかいで実現
谷澤正美さん(国際がんセンター支部)

ソーシャルワーカーは、患者や家族が安心して治療を受けられるよう不安や悩みを解消するための仕事をしている。がん拠点病院としてのとりまとめや情報発信なども行っている。コロナで電話相談が増え、1万3000件の相談を計9人で行っている。人員不足で残業も続いているが、まず身近な要求から実現しようと被服の貸与枚数増の交渉を粘り強くした結果、増やすことができた。今後、人員増の取り組みにもつなげたい。

第三の一時保護所の新設と体制強化を
国松靖さん(福祉支部)

子ども家庭センターの一時保護所は、虐待などで保護者がいない場合に児童を一時保護するが、満杯状態になっている。夜間休日の入所も増え、夜間の非常勤職員が見つからず、十分なケアができなくなっている。女性相談センターの一時保護所でも、非常勤職員が退職したため、正規職員でカバーしている。コロナ感染での児童の一時保護も開始され、人員不足が一層顕著となっている。第三の一時保護所の新設と人員体制の強化が急務。

非常事態に対応できる適正な人員配置を
谷優さん(土建支部)

どの部署でもコロナ対応で年度途中異動や応援派遣が続き、残された職員の負担も増えている。必要な応援であることは理解している。私の職場では昨年度3人、今年度1人の途中退職が続いた。辞めた若手職員は「府に将来を感じない」と言っていた。一緒に働く職場でそのような思いをさせているのは非常に残念。このような状況になったのは、職員基本条例による人員削減の結果だ。早急に条例を撤廃し、緊急時でも対応できる人員配置を求める。

「都構想」で考えたこと―障がい者雇用の充実を!
平田雅俊さん(総合医療センター支部)

障がい者雇用により急性期総合医療センターの事務局で勤務している。周りのみなさんの協力により、働きがいをもって仕事をしている。「都構想」が実現すると、障がい者雇用の予算が削減されると聞いて不安になり、反対の投票をした。今後、自分も含めて障がい者が自立し、安心して働ける社会になるようにと考え、労働組合に加入した。みなさん応援よろしくお願いしたい。

大幅な定数増で地方自治守り、府民生活優先の府政へ
池辺勇人さん(府税支部)

府税職場では2018年度以降、大幅な人員削減が進められてきた。今年度はコロナ対応による年度途中の他部局異動や応援派遣もあり、業務量も増加している。また、徴収猶予の多発で来年度以降も多大な影響が必至。納税者目線の緊急対応のためにも、以前の人員体制に戻すのが急務。職員を減らし続け、緊急対応できなくしたのは維新府政。地方自治を守り、府民のくらし優先の府政への運動強化が必要。大幅な定数増を求める。

今後、起こりうる大災害に備えて
中森貴大さん(土木現場支部)

人員不足によって通常業務でも精一杯の職場状況になっている。今回のコロナ対応で保健所では昼夜問わず対応している職員がたくさんいるように、南海トラフ大地震などの大きな災害が起こったとき、現状の人員で対応できないのは明らかだ。過去に災害対応をしたときに、人員不足で困ったとき人を増やしてくれたのは組合があったからこそ。人を増やすことはかなりの困難ではあるが、組合員を増やすことで人員増を勝ち取りたい。

中小企業休業要請等支援金業務に携わって
中川禎秀さん(商工労働支部)

緊急事態宣言によって、中小企業や個人事業主を対象に休業支援、要請外支援金給付が開始。前例のない業務であるにもかかわらず、スピード感が最優先され、支援金担当の各職場はコロナ関連、法定事務以外は休止させ、他部局応援も受け、支援金事業にシフト。今回支援金業務に関わり、直接支援・直接対話の貴重な経験をした。また、コールセンター業務応援等では、困難事例対応等を通じて本庁・出先職員の一体感も感じた。この現場の頑張りや思いを共有し、今後に生かしたい。

職員と家族が感染しても安心できる労働条件の整備が必要
佐藤栄哲さん(総務農林支部)

コロナ患者となり、保健所の大変さを知ると同時に、家族にまで寄り添ってくれる素晴らしい保健師が大阪府にいることを誇りに思った。今回、子どもが濃厚接触者となったため、受験ができないと言われたが、あきらめずに訴えることで変えることができた。府職員採用試験や主査級試験もコロナ陽性者等は受験機会を失っている。今後そのようなことがないよう訴えてほしい。私たち府職員の労働条件の改善、要求実現に向け微力ながら頑張っていきたい。

非常時にも対応できる人員増を
宮本妙子さん(健康医療・保健所支部)

コロナ対応では関空での対応を泉佐野保健所に任せる動きが多く、1~3月はとても混乱した。4月から保健師が一人増えたが、医師が課長兼任のため業務量増となり、業務量は軽減されていない。レントゲン技師は本来業務以外の仕事も担い、一人で2・5人分働いている。コロナで関空足止めの患者の事務も担い負担は増えるばかり。保健師は患者搬送の付添い、患者調査、検査、電話などさまざまな対応で非常に過酷な実態。また、採用抑制で中堅職員が少ないため若い保健師にも残業が集中している。

組合員の数と声をあげることの大切さを実感
左近直美さん(大阪健康安全基盤研究所労組)

2020年はコロナ対応に追われた1年だった。組合の取り組みで検査担当研究員に特殊勤務手当が認められたことは大きな成果。また非常勤職員の有休制度の改善や一時金の維持なども非常勤職員の組合加入に伴う組合活動の成果。声をあげること、数は大事だと思った。これから賃金リンクのある人事評価制度が開始される。職員のモチベーション低下にならないよう、また個人のライフスタイルを尊重した働き方改革のため、組合員の拡大と要求実現に向け声を上げていく。

多くの声を集めることで大きな力に
増井和江さん(はびきの医療センター支部)

ダイヤモンドプリンセス号でのコロナ発生以降、中等症患者を受け入れている。当初、親がコロナ患者を受け入れてる病院勤務というだけで「遊ぶな」と言われた子どももいた。1人でも多くの命を守れるようコロナ病棟に異動したのに何気ない一言で士気が下がったが、1人の声から共感した感謝の声が増え続け、社会の変化も実感し士気を保つことができた。1人の声では動かせなくても、多くの声を集めることで大きな力になるのも組合の会議に参加して実感している。労働条件改善に向け組合で力合わせ声を上げていく。

組合加入で働く環境を考え、貴重なつながりや経験もできた
中川舞さん(青年部)

入職当時は働いてれば給料はもらえるし、困りごともないし、組合の存在さえ知らずにいたが、毎日声かけてしてくれる役員さんから組合のことを知った。日々残業が増え、しんどいけど、みんな何も言わないからこんなものとあきらめていた。でも現状を変えたいと組合に加入。労働条件などで交渉できることを知り、その後、青年部役員になって看護師以外の職種や職場を越えたつながりもでき、貴重な経験となっている。組合の大切さは加入しないと分からない。私のように知らずに悩む若い人の力になりたい。

〈文書発言〉

困難な中でも貴重な前進を勝ち取る
山本勝彦さん(環境農林水産研究所労組)

当所の研究職の人事評価には、2018年度以来、①査読付論文掲載、②特許取得、③外部資金100万円以上の獲得という「ノルマ」が設定されていた。3項目とも未達成ならB以下、3年未達成なら昇給なしとなる。当初から撤廃を強く迫っていた。本年4月より「3年未達成昇給なし」を撤廃させた。非常勤職員の待遇改善では、府と同様、一時金が支給されたが外部資金の中には、一時金を人件費積算に含めないものがあり、改善の運動が今後必要。実現に向け奮闘したい。

粘り強く続けることの大切さを教訓に取り組みを進める
峰松泰さん(教委支部)

司書や考古学技師の人員要求を毎年取り組み、今年度も採用試験を実施させることができた。これまで積み上げてきた仕事の継承を考えるとまだまだ足りていないが、継続が力を教訓にして頑張る。また、4月には組合加入を呼びかけ、仲間に迎えたい。本庁ではランチタイム学習会への参加で交流をはかっている。未加入者への呼びかけも強めて加入につなげていきたい。

コロナ禍で苦しんでいる中小企業を支援
渡辺義人さん(産業技術総合研究所労組)

大阪産業技術研究所は、2017年4月に旧大阪府立産業技術総合研究所と旧大阪市立工業研究所が統合して発足した。統合後も変わらず大阪の中小企業の技術支援を行い、技術相談は無料で実施している。依頼試験や装置使用は有料だが、利用しやすい料金設定にしている。新型コロナ感染症により、中小企業は経営面で大きな影響を受けている。大阪技術研の職員はこれからも技術的な支援を行っていく。

 

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