健康福祉支部相談所分会書記長
神夏磯 保
連日新聞報道が行なわれる「児童虐待」「少年非行」等の相談を受ける子ども家庭センターの人員体制について、「責任を持った児童福祉の第一線機関」となることを願い現状を訴えます。
あまりに異常な担当児童数
子ども家庭センターでは、児童虐待・少年非行等で施設入所が必要と判断した場合に、関係者と調整しながら施設への措置を行なっています。
昨年4月1日現在の家庭支援課ケースワーカーの施設在籍担当児童数の平均は99名となっています。学校職場では「40人学級の改善」をすすめていますが、その倍以上の数字になっています。そして今日、虐待等によって入所した児童の「いじめ・性的問題・非行問題」等への対応の頻発が、大きな社会問題になってきています。同時に、施設在籍児童でなく、地域で生活する児童の相談にも応じていますので、ワーカーの対応は大変です。「担当している子どもたちのケースファイルが机の上に並ぶ。人数が多く、探すだけでも一苦労だ。」(朝日、昨年9月26日付)は、その実態を示しています。私たち児童福祉に携わる労働者として、子どもたちの現状について社会的にももっと理解してもらいたいと思っています。
サービス残業もいっぱい、改善されない慢性的残業
私たち職員は、府民福祉の充実を願い、過大な業務量にあっても黙々と業務をすすめています。しかし他府県では自殺者や心労で休職者がでる事態も生まれています。労働組合では、職員の声を総結集するため残業実態調査や当局交渉を実施しています。一昨年の厚労省通知以降、民間・公的サービス機関でのサービス残業の摘発も進められています。中央子ども家庭センターでは、職員自ら残業実態メモを作り、書類上との乖離を記録として残すまでとなっています。私たちは、慢性的残業のない人員体制、サービス残業をなくすため支部や本部とも協議しながら運動をすすめていきます。
勤務中・夜間・休日に鳴る私用の携帯電話
家庭支援課のケースワーカーは、夜間・休日にもかかってくる電話対応、そして面接などに追われています。できるだけ速やかな対応が求められ、私用であるべき携帯電話の公用化があっという間にすすみました。調査したところ、7センターの家庭支援課ケースワーカー37名中34名が、携帯電話の公用化の実態がわかりました。このような事態は、労使とも真剣に考えなければなりません。改善に向け労使検討委員会も提起したいと考えています。
今の現状について、ありのままを訴えましたが、分会役員として、少しずつでも「働きやすい職場」になるよう粘り強く運動をすすめていきます。「府職の友」読者のみなさんからのアドバイスや府当局の児童福祉充実への対応を期待しています。
(府職の友・2003年2月11日付より)