公衆衛生の危機!このままでは府民のいのちと健康は守れない!
▶全国ワースト2の府職員と保健師数
▶ 全国で唯一、地方衛生研究所を地方独立行政法人化
今こそ、公衆衛生の充実、保健所の機能強化と拡充、地方衛生研 究所の府立直営化を!
世界各国で「新型コロナウイルス感染症」が流行し、日本でも連日感染が確認され、先が見通せない中、国民の不安も広がっています。
こうした不安を少しでも取り除き、府民のいのちと健康を守るため、大阪府では健康医療部をはじめ、保健所、大阪健康安全基盤研究所の職員が対策や感染拡大防止のため、昼夜分かたず、寝食を忘れ、懸命に取り組んでいます。
コロナウイルス感染の疑いのある方の検体の採取、陽性と診断された方の搬送の付き添いや行動や接触した人の名前や連絡先の聞き取り、濃厚接触の疑いのある方への連絡、連日連夜のウイルス検査などの緊急対応に追われています。
保健所の業務は、感染症対策以外にも、母子保健、難病、精神保健など多岐にわたり、多様化する健康課題のニーズを受け、年々より高い専門性が求められています。指定難病の対象拡大(110疾病→330疾病)、増加傾向にある虐待ケースへの対応、自殺予防対策、依存症対策など、新たな課題へも対応し、個別支援や地域の体制づくりに取り組むとともに、災害時の健康危機管理のための管内医師会等との調整、管内医療機能の役割分担をすすめ、住民が困らない医療提供のための医療懇話会の整備など、医療体制の地域整備も進めています。
大阪健康安全基盤研究所では、ウイルス課全員で新型コロナウイルスの検査に当たっていますが、それ以外の検査(ノロウイルス、麻疹・風疹疑い、HIV確認検査等)も同時に行っています。
こうした状況のもと、連日連夜の長時間勤務が続き「いつも23時近くまで残っている」「深夜3時に電話対応することも」「土日のどちらかは当番があたるけど代休も取れない」「先週の土曜日は終電に間に合わなかった」「ひどいときは平均12分に1回仕事のLINEが入ってくる」「子育て中の職員がすごく申し訳なさそうにしているのを見るのがつらい」という状態が続いています。
「都道府県にそんなに保健師はいらない」「広域・調整業務だけすればいい」などのかけ声のもと、「保健所法」が廃止され「地域保健法」の施行によって保健所は全国的に減らされ、2004年には大阪府でも14の支所が廃止され、政令市、中核市含めて18ヶ所にまで減らされました。大阪府も「組織のスリム化」を掲げ、「行財政改革」「組織戦略」「職員数管理目標」などによって職員数を減らし続け、2017年には全国で唯一、府立公衆衛生研究所を府直営から切り離し、地方独立行政法人化しました。その結果、大阪府の職員数と保健師数は全国でも最低水準となっています。
くらしや環境の変化や住民のニーズに応える業務が増えても決して人員は増えず、職員は多忙化の中、住民サービスの低下に不安を抱えながら、必死で現場の努力で最悪の事態を食い止めるために奮闘しています。
しかし、今回のような感染症の蔓延や災害発生時などには、こうした職員の必死の努力もやがて限界を超え、公衆衛生機能が破綻することが危惧されています。
府民の安全・安心、いのち・健康を守る行政を進めるには、幅広い専門性を有する職員のマンパワーが絶対に必要です。
私たちは、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、府民の安全・安心、いのちと健康を守るために、あらためて保健所の機能と職員体制の強化、公衆衛生研究所(現:(地独)大阪健康安全基盤研究所)を府立直営に戻すことを求め、全力で取り組みを進めます。
2020年3月25日
大阪府関係職員労働組合
執行委員長 小松 康則
保健所支部長 野寄 法彦
大阪健康安全基盤研究所職員労働組合
執行委員長 川畑 拓也