人事委員会は第三者期関としての役割を果たせ!
府労組連は、8月26日開催された「大阪府人事委員との意見交換会」で、「財政構造改革プラン及び2010年大阪府人事委員会勧告についての要求書」を提出するとともに、この間取り組んできた「職場決議」730筆を手交し、協議を行いました。
また同日、大阪府当局に対しても、職場決議を手交し、「府財政構造改革プラン」によるさらなる府民施策切捨てと人件費削減を行わないよう要請するとともに、10月1日からの勤務時間短縮について、「保育休暇の廃止に伴う15分問題の解決についての申し入れ」もあわせて行いました。
府労組連は「要求書」に基づき、財政構造改革プランが「給与制度の改悪、知事との価値観の共有を求める人事・任用制度、大幅な人員削減をすすめるものであり、職員・教職員の賃金水準の引下げ、より一層の長時間過密労働につながる」ものであることを指摘し、人事委員会が給与制度や任用制度の改悪や賃金カットに反対するよう求めました。
また、一〇人事委員会勧告にあたって、人事院の発表で近畿地域の官民格差が民間が1・3%高い数値となっていることも指摘し、公民格差について十分な説明責任を果たすとともに、人事院のマイナス勧告、50歳代後半の給与抑制に追随しないよう求めるとともに、保育休暇の15分問題の解決に向けた改正を求めました。
帯野人事委員長は「公民格差に基づき適切な勧告を行うが、社会経済情勢はなお厳しさが残っている」「独自給料表の作成について、職務給原則をより徹底する基本的考え方から大阪府に対し適宜意見を言う」と発言し、府労組連の要求に応えていません。
また、独自給料表の導入について「不公平感がないようにはしないといけない」と言いつつも「府民から見てわかりやすいものにするためには一つの職で一つに級にする必要がある」、現給保障問題では「過度の不利益にならないよう適切な配慮は必要との考え方は変っていない」と回答しました。
府労組連の「給与の減額措置が今年度で終わる。人事委員会が示していた長期にわたる給与抑制措置は問題があるとの認識から考えて、今年度での終了と財政構造改革プランでの人件費カットには反対すべきである」との指摘に対し「財政状況がよくなっていない。議会や知事の考え方はあるが公民格差を踏まえて考えていきたい」と反対の態度を明確にしませんでした。
府労組連は、引き続き、人事委員会勧告に向け取り組みをすすめるとともに、財政構造改革プランの撤回に向けたパブリックコメントの取り組み、給与制度や任用制度の改悪反対の取組みを府民との共同で進めます。
府当局に対し、職場決議を手交し「プラン」撤回、新たな人件費削減は断固反対と強く要請
府労組連は、人事委員会との協議に先立ち、大阪府当局に対し、この間取り組んできた職場決議740筆を手交し「府財政構造改革プラン」によるさらなる府民施策切捨てと人件費削減を行わないよう要請しました。要請に対し、人事室副理事は「パブリックコメントの意見などを踏まえ9月上旬に「案」が出される。公務員制度改革に係る給与制度については、できるだけ早く提案し十分協議していきたい」と回答しました。
また「保育休暇の廃止に伴う15分問題の解決についての申し入れ」を行い、あらためて、①保育休暇廃止を撤回し、新たに15分の特別休暇とする、②保育に係る特別措置として15分単位での部分休業や年次休暇を取得できるようにするなどについて誠意をもって研究・検討し、実施することを要求しました。申し入れに対し、企画厚生課長は、「時短実施には廃止するとの回答を行っている。研究については引き続き行っていきたい」と回答しました。
保育特別休暇取得者にとっては、10月から15分の勤務時間延長は非常にツライ!!大阪府は仕事と家庭の両立支援対策を充実して!
少子化が進むもと「職業生活と家庭生活の両立支援」が必要となり、03年から「次世代育成支援対策推進法」が施行されました。大阪府でも府民と職員に対する「行動計画」の策定が義務付けされ、職員向けの「大阪府特定事業主行動計画」では「みんなでサポート!子育てしやすい環境づくり」を作成しています。
保育所送迎の時間確保はまさに「仕事と家庭の両立支援」です。妊娠・出産で7割もの女性が辞めざるを得ない大阪の現状を改善するために府の職場をモデル職場としながら民間企業にも発信していく。このことが国連女性差別撤廃委員会から強く勧告されている雇用の場での差別の早急なる是正につながるのではないでしょうか。
こうしたもと、保育特別休暇を取得している職員からは「15分の勤務時間延長は非常にツライ。なんとか復活してほしい」「せめて今年度末まではとれるようにしてほしい」「時間年休15分を認めるとか、部分休業15分単位で取得できるようにするとか、仕事と家庭の両立支援対策を充実してほしい」という切実な声がたくさん寄せられています。
【職員の声を聞いて】
*現在30分の保育特休を取得しているので、17時15分に職場を出させていただいています。それでなんとか保育園のお迎えに間に合っているというのが現状です。保育園に迎えにいくと、もうすでにほとんどの子どもたちが帰った後で、ぎりぎりのお迎えの子どもたちが一つの部屋に集められて、待っているのです。いつも、乗り換えの駅で1本でも早い電車に乗ろうと走っています。なんとか間に合っても、それから家に帰り、バタバタと休む間もなく用事をしても、子どもたちが寝れるのは10時を過ぎてしまいます。1分でも早くと毎日がんばっている私たちにとって、15分の勤務時間延長は非常にツライです。加えて、上の子は来年から小学校になります。小学校の放課後支援制度は、6時までのお迎えになるのだと聞いています。6時30分までの保育園でぎりぎりなのに、絶対に間に合うはずがありません。今回の15分問題とあわせて、小学校低学年までの特別休暇等の取得がなんとかできるようにどうぞよろしくお願いいたします。(女性・子ども6歳と2歳)
*保育所では、朝は一番乗り、夕方はほとんどの子どもが帰ったなかですが1分でも早くとう思いで迎えに行っています。会議、児童や保護者との対応で、保育休暇は取りたくても取りづらい現場実態です。それでも月に数回、また長期の休みなど、30分早く迎えに行き、子どもとゆったり向き合えてしっかり話を聞いてあげられたのは保育休暇があってこそです。子どもを急かすのでなく、時間に少しはゆとりを持てる保育休暇は絶対なくさないでほしい。(女性・小学校教員)
*15分の時間短縮が実質15分の時間延長」とうれしいのか悲しいのか(女性)
*うちは共働きで、保育園の送迎のために保育特休を取っていますが、保育特休廃止&時短が実施されれば、特別扱いはなくなり、周囲への気遣いという面では楽になります。ただし、今までよりも15分遅く退庁することになり、保育園のお迎えは延長保育のタイムリミットぎりぎりになります。今でも一番最後まで残っている園児になることが度々あり、保育特休の廃止で、ほぼ毎日そういうことになりそうです。親はともかく、子どもにさびしい思いはさせたくない、という思いから、保育特休の廃止はいかがなものか、と感じます。(34歳男性、長女1歳)