「維新プログラム案」撤回し、府民・職員のくらし守れ・働くルールの確立を
6月14日、府労組連は夏季要求の実現をめざし、第2回課長交渉を行いました。交渉では、給与・一時金カット撤回、勤務時間短縮の早期実施、非常勤職員の待遇改善、保育休暇廃止の撤回など、職場からの切実な発言が相次ぎ、当局を追及しました。
時短の10月実施実現
切実な職場の声に対し、当局は「給与カットなど厳しい措置を取っているが、ご理解を」「保育休暇は勤務時間短縮をもって廃止する。ご理解を」と不誠実な対応に終始しました。そのうえで、勤務時間短縮については「システム開発した上で、システムチェックし、10月実施というスケジュールをめざしている」と答えました。保育休暇が廃止される問題については「早出・遅出勤務を導入したいと考えており、具体的内容は協議したい」と答えたため、府労組連は「早出・遅出で解決すると考えているのか」と追及。当局は「すべて解決しないと考えるが、その他の代替制度(育児部分休業)も活用していただきたい」と答えました。そもそも育児部分休業は無給の制度であり、保育休暇の代替とはなり得ないことも指摘し、再検討するよう求めました。
また、国が6月30日より「子の看護休暇の拡充」「短期の介護休暇(有給)の新設」を実施することについて、府としても国にあわせて実施するよう強く求めました。当局は「『子の看護休暇』については、現行の府の対象範囲(国:6才まで府:小学生まで)を残したまま、日数や内容など国の拡大部分を取り入れたい。『短期の介護休暇』については、現行府独自の介護欠勤制度(無給)のあり方も含めて検討している」と答えました。
また、府労組連は「この間、職員は、賃金カットを継続されており、来年度以降、「財政構造改革プラン」による人件費はこれ以上続けないということを明確にすべきである。職員の士気や大阪経済への影響、人材確保にどのような影響が出ているのかも分析すべきだ」と追及しました。
代替講師が措置できず「教育に穴があく」問題について、当局は「実態は認識している。大変申し訳ない。一刻も早く改善しなければならない」と答えました。これに対し、府労組連は「当局は①「教育に穴があく」ことはあってはならない。②正規の教員が授業を担当するのが基本。③定数内講師を減らす方向で努力するという3点の立場に立っているのか」と当局を質しました。当局は、この3点については、そのとおりであるとの立場を明確にしました。
交渉の最後に辻委員長は「これ以上、賃金カットを続けても、財政も再建できず、大阪経済も良くならないことは明らかである。賃金カットは直ちに撤回すべき。『教育に穴があく』問題では、当局も認めた本来の姿とは反対の方向に進んでいるのが実態になっている。早急に解決すべき。時短・保育休暇の廃止に伴う15分問題は要求も強く切実な問題である。これらの問題の解決のために、あらためて検討せよ」と求め、交渉を終えました。
府労組連は、6月14日には決起集会も開催し、引き続き、職場からの力を結集し、奮闘するものです。
(発言要旨)
大教組 講師が配置されない事態が府内の学校現場に広がっている。講師の先生が来ずに新学期になっても担任がいない小学校、理科の代替が配置されず自習せざるをえない中学校など、子どもの学習権が侵害される状況で、これで「学力日本一」などと言えるのか。「教育に穴があく」最大の原因は、正規採用を抑制し定数内講師を大量に配置しているため。また非常勤講師の賃金改悪も講師不足に拍車をかけており、大阪府みずからが官製ワーキングプアを広げることはあってはならない。
大教組 保育特休を取得する場合も、仕事の段取り、持ち帰り仕事をかばんに詰めて、あわてて職場を出なければならない。子育てしながら仕事を続けることは、本当に大変だ。教職員は、朝は保育所に一番乗り、迎えは一番遅いというケースが多い。大阪府は子育て支援を投げ捨てるのか。保育特休の廃止撤回を求める。また時短実施にあわせた年度途中の廃止は混乱を広げる。せめて年度途中の廃止はやめるべきだ。
府職労 いったいどれだけのカットを続けているのか。この3年だけでも1200億円も削減されている。財政再建のためではなく、府職員攻撃ではないのか。大阪府の実質賃金は全国平均よりも大幅に下がっている。企業倒産件数も増加している。これでは、大阪経済は低迷し、税収も下がる一方であり、財政再建にならないのではないか。こうした分析もせずにカットを続けるのは納得できない。職員は本当に苦しい中で生活をきりつめている。賃金カットは直ちに撤回せよ。
府職労 15分時短実現はうれしいが、素直に喜べない人もいる。保育休暇の廃止を聞き、大きなショックを受けた。同じ保育所を利用している民間で働くお母さんは、時代に逆行していると言っている。物理的にも心理的にも保育休暇の意義は大きく、支えになっている、などの声が、今も寄せられている。もともと当局が勤務時間30分延長時に作ったのが保育休暇、廃止するならさらに15分も短縮すべきだ。