府職員緊急アンケート 職員の8割以上が第2庁舎構想に反対
~府民(利用者)が不便になる(83%)、仕事しにくくなる(54%)~
2010.3.11 大阪府職員労働組合
府庁のWTC移転は、これまで2回に渡り府議会で否決されたにも関わらず、橋下知事は移転に固執した結果、WTCビル購入の債務負担行為が府議会で可決されました。府職労は、WTCへの庁舎移転に反対し、府議会議員要請や府民宣伝などの取り組みを進めてきました。さらに2月府議会ではWTCビル購入に関わる予算案が採決されることから、緊急に職員アンケートを行いました。
調査は全職員を対象に、2月22日から24日にかけて、組合役員が調査票を机上配布し、回収は3月3日を目途に組合役員に手渡すか、備え付けの回収袋に投函する方法で行いました。緊急かつ短期間の取り組みにも関わらず、1773人(本庁移転部局363人、本庁移転しない部局368人、出先機関1042人)から回答が寄せられました。
アンケート結果では「第2庁舎(咲洲庁舎)構想」に対し、62%の職員が「今からでも予算を修正し、購入はやめるべき」と考えており「部分移転はやむを得ない」と考えている職員は19%にとどまっています。
第2庁舎構想については、8割を超える(83%)職員が反対しており、賛成の職員はわずか5%にとどまっています。反対の理由では「大規模災害に対応できない」(1007人)「府民が不便になる」(992人)「本庁機能が2分され業務に支障が出る」(891人)が圧倒的で、回答者の半数以上を占める結果となっています。
また、部分移転が行われた場合に現在と比較して、仕事に影響があるかという質問に対しては、半数以上(54%)の職員が「仕事がしにくくなる」と答えており、さらには府民・利用者への影響については、8割以上の職員が「不便になる」と回答しています。また、通勤時間についても現在本庁に勤務する職員の94%が、現在より「長くなる」と答えています。
こうした結果は、移転対象となっている職場に限らず、移転対象外の職場や出先職場の職員の回答も同様の結果を示しています。
今回の第2庁舎構想による部局移転によって、現在は大手前に集中している本庁機能が2分されることになり、移転対象職場や本庁・出先を問わず、多くの職員が業務や府民・利用者の利便性にも大きな影響があると考えています。橋下知事はWTCへの庁舎移転を提案する際に「府庁は(府庁周辺に)分散していて分かりにくい」と言っていましたが、実際に業務をしている職員の多くは、府庁が「大手前」と「南港」に2分されることのほうが、府民にとって分かりにくく、不便であるうえに、業務にも支障が出ると考えていることが明らかになりました。
橋下知事は、関西財界の強い要望に応えるため、さまざまな理由を持ち出して、何が何でもWTCビルの購入、ベイエリア開発の再始動を強行しようとしていますが、日々府民と接し業務を遂行している職員の声を真摯に受け止めるべきです。知事と議会は府民の利便性や職員が効率的な業務を遂行するためにも、2月府議会で予算を修正し、WTCビルの購入を中止すべきです。
昨年の2月議会と9月議会の2度に渡り否決された府庁のWTC移転については、現在も85%もの職員が反対しており、賛成はわずか6%です。
反対の理由については、第2庁舎構想と同様に「大規模災害に対応できない(997人)」「府民が不便になる(791人)」と多くの職員が災害時対応や府民の利便性を危惧する回答をしています。さらに「無駄な財政支出になる」と答えた職員も786人と半数を超えています。
※庁舎移転反対の理由