知って!私たちの職場(10)

録音図書ネット配信へ 府立中央図書館
目が不自由でも、気軽に「立読みして」

目の不自由な人も立読み感覚で本が選べたら―と府立中央図書館が、録音された図書をインターネットで配信する実験に取り組んでいます。

目の不自由な人も立読み感覚で本が選べたら―と府立中央図書館が、録音された図書をインターネットで配信する実験に取り組んでいます。実験を担当しているのが司書の杉田正幸さん。視覚障害をもつ組合員さんです。

「小さい頃から点字の本や視覚障害者が利用できる本が少なかったことが今の仕事についたきっかけです。目が見えれば、本屋で立読みもできます。視覚障害者は、音源を実際に聞かなければ、面白いかどうかわかりません。本屋の立読み感覚で本を選べるシステムができれば、役にたつのにと思っていました」と語ってくれました。5月に朝日新聞にも紹介され府民のみなさんからの反応も大きく、対応も大変でした。

現在の段階では、専用のソフトを使って目録から本を選び自宅のパソコンで音声を聴くことができます。目次やページで、一部だけの視聴もできます。公立図書館では、初めての取り組みですし、視覚障害者のモニターをすすめているところです。利用者はIDとパスワードをもらって指定のホームページに接続、あるいはダウンロードして、図書を音声で聞くしくみです。配信されるのは、デジタル録音図書の国際規格「デイジー」形式の図書です。検索が簡単で、見出しやページごとにジャンプしたり、しおりを付けたりすることもできます。現在配信できる図書を6月中には500タイトルまで増やす予定ですすめています。

「これまでの録音図書の申し込みは、手続きも大変ですし、時間もかかっていました。パソコンも次第に視覚障害者も使えるようになってきましたし、録音図書もデジタル化されるようになってきました。まだまだパソコンの利用は一部ですが、それを図書館のサービスで利用者に使えるようになってもらい、私たちの実験が、府民のみなさんや同じ障害を持つみなさんの役に立って欲しい。点字受験で公務員になれたので府民のみなさんにもっと還元していきたい」と思っています。

 

ページトップへ