呼吸器・アレルギー医療センター9A病棟
病院はお金をもうけるところではない命を守るためにある
2人夜勤で看護だけではない介護も
羽曳野病院という名称が「呼吸器・アレルギー医療 センター」に変わった9A病棟を紹介します。
9A病棟は、多剤耐性の結核病棟で長期入院者であり、ほとんどの方が結核以外にも様々な合併症をもっている。また、退院のメドのない患者で、高齢者が多い。家族がいない方、いても結核だから感染を恐れ面会に来ないで看護師にまかせっきりという方もいる。だから家族にかわって、様々な相談事など精神面の看護も必要である。それを3交代で、しかも夜勤は2人の総勢17名の看護師で運営する職場である。
痴呆症や寝たきりの高齢者が多いため、おむつの交換や日常生活全般のサポートが必要など介護的なかかわりが多い。また、少しでも「いい看護を」と心がけており、イベント係を看護師の中で決め、クリスマス会や七夕など季節的な行事も行っている。過去にはクリスマス会で、ハンドベルを時間外に練習し出し物としてやることもあったが、病棟再編で一般の結核患者も入院し、入退院も頻繁で大変忙しくなり行事等は出来ない状況である。
危険と隣り合わせ、だから快適な職場環境を
「いい看護を」と思うが、夜勤2名しかおらず、8時間以上も立ちぱなし・走りぱなしで、日勤でも時間どおりにおわらず、2時間以上の残業はあたりまえ。人員増、3人夜勤は絶対に実現してほしい。また、建物も築30年がすぎ、改善はされているものの感染への対策で窓も開けることが出来ず、温度調整が不充分のため患者間のトラブルもたえない。患者は高齢者が多いのに、お風呂はいまだに段差があるまま。患者や働いている者が快適にできる職場環境をつくってほしい。
なぜ、地域になじみのある名称を変えるの
10月に名称がかわり、問い合わせがすごい。医者や看護師から電話しても、名称が長すぎて言いづらいし、相手がわからないので、名称を言ったあと「旧羽曳野病院です」と付け足す。「今までどおりの診察もしてもらえるのか」と問い合わせもあり外来が非常に困っている。「地域にもなじみのあった名称を何故」「今の流れは短縮化」「メリットは」と疑問の声がある。一部に「府立から切り離し独立法人へすすめていくためでは」との声もある。
府立だから、お金がなくても公平に医療が受けられる
独立法人というのが、まだ看護師の中でも「ピ~ン」とこない。しかし、不安は広がっており、退職する人も増えている。府立の病院としての役割をもっとアピールする必要がある。
特に、感染の危険がある病院は、設備や感染対策に費用がかかるため民間ではやってられない。府立だからこそ担わないといけない。また、採算性を考えれば、9A病棟のような行き先のない患者の看護は採算があわないだろう。お金がなくても誰もが公平に医療を受けることができるのは府立だからだ。