農林技術センター、新鮮で安全な農産物の供給へ重要な役割
森井 正弘 (農林支部・農林技術センター分会)
この間、マスコミで、大阪府の「研究機関」独立行政法人化の動きが明らかにされ、職場でも、仕事への不安や住民無視の府政への怒りが口々に聞かれます。
農林技術センターは、都市近郊の特殊性に対応した農林業に関する総合的試験研究機関です。独立行政法人化は、企業倫理に拘束された研究活動が主体となることから公共性が高く、採算性が期待できない分野を切り捨てることにもなります。
法人化に伴い業務計画を公開すれば企業経営的効率化を求めるあまり。短期的な成果のみが要求され、例えば品種改良のように長期にわたる研究分野は課題化されにくくなります。また独立法人化は財政危機を乗り切るための「新行財政計画」に盛り込まれる以上、業務の切り離しに伴う見かけ上の職員減と研究機関の統廃合を含めた大幅な人員削減が予想されます。その矛先は短期的な成果の出にくい分野に向けられ、結果として対応できなくなる分野が生じます。都市近郊の特殊性に対応した農林業の総合的な研究などとても行えません。
これまで、府民に新鮮で安全な農産物を供給し、快適な生活環境を提供してきた大阪の農林業を維持・発展させるためにも、本部・支部とともに独立行政法人化を許さない取り組みをすすめます。
(府職の友・2001年7月1日付けより)